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【スターウォーズ/最後のジェダイ】感想ネタバレ:フォースはなんでもありなんだってさ!

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Hideto KOBAYASHI | Flickr

 

夫と二人で観に行ったのですが、観終わった直後、夫は「面白かった!」と大絶賛、私はもろ手をあげて面白いと言えず「うーーーん・・・」というのが率直な印象。まったく面白くなかったわけではなく、あまりにもいろんな要素がありすぎたのと、ひっかかる部分がありすぎて、直後すぐに「面白い」と表現できなかったんです。

あとからボディブローのようにジワジワくる感じで、家についたころになって「もう一回観る!」と言ってしまうほど、鑑賞後に変化していったという不思議な感覚に陥りました。

冒頭の戦闘シーン長い~~~だるい~~と思ったのは本当だし、途中で何度かこのシーン、このキャラ必要ないんじゃね?と思ったことも確か。それらを除けばまあまあ面白かったし、めちゃくちゃ深くて考えさせられた部分もありました。

オマージュとか、アクションがすごいとか、精神世界、哲学的、不条理、カルトっぽい、社会風刺、世代交代など、今までのスターウォーズシリーズでは感じなかったことを感じた2時間33分。これから観る方は予備知識入れないで行ったほうが楽しめると思います。

 

これから観に行く方で、内容を知りたくないという方は、ここから先は読まずにブラウザを閉じてくださいね。

 


以下、ネタバレ注意!!
以下、ネタバレ注意!!

 

 

 

好き嫌いがはっきり出る映画だと思う

私は世代的にエピソード4からのリアルタイム古参ファンなので、ルークが登場してから同じ年月を過ごしてきたことを思えば、非常に感慨深いものがあるし、いやがおうにも郷愁に駆られましたし、納得できない部分も多々ありました。

スターウォーズに対する思い入れの強さや、映画に詳しいとか映画好きかどうかによっても、好き嫌いが分かれる映画だと思います。

今までのようにダークサイドに落ちた人を助ける的な展開を望んでいた人(リアルタイム世代は陥りやすいかも)は、主要キャラが次々にいなくなるので、今作はつまらないと感じる人もいるでしょう。

前作でハンがいなくなった、今作でルークもいなくなった、レイアも現実的にいなくなったし・・・。(細々とチューバッカだけは生かすんだろうか)

続三部作では、従来の展開(ダークサイドに堕ちた人を救う)をエピソード7で匂わせておいて、今作エピソード8によって完全に裏切った、というか、もう同じような展開にはならないことを明確に示唆しているのもわかります。

「最後のジェダイ」と銘打っているのは、映画としてジェダイのストーリーを終わらせるという意味なんでしょう。

その証拠に、新しいキャラたちが世代交代を迫る勢いでスクリーンを埋め尽くす。世代交代だから仕方ない。明らかにC3-POとR2-D2の登場シーンは減り、少しの出演シーンがなんだか古臭く疎外感すらある。

海に沈んでいたXウィング(「帝国の逆襲」の時みたいに陸にあげることもない)、ファルコンの中でR2-D2にレイアの過去映像をみせられて説得されるルークとか、最後にまたルークが2つの夕日を見ているシーンも泣けた! そういう古参ファンを喜ばせる郷愁だけは盛り込んでくれていたけどサービス程度。

そして、完全にルーク退場。「まだジェダイはいる」っていってたけどルーク退場とともに神聖なジェダイは終わりなのよ!・・・ああ、もう終わりなんだ、世代交代なんだ。寂しいような嬉しいような、観る側に従来の概念はもう終わりと告げられたような、複雑な気持ちにさせられたのは確かです。

 

世代交代は別にいいんです。してくれてかまわないんだけど、でもね、あまりにも脚本が雑すぎて、ムダに長いわりに中身がないグダグダ感やギャグの投入。あまりにも雑なキャラ退場の仕方。あんなにバッサバサと簡単に殺して終わっていいの? せめて最後にリスペクトを持ってそのうえで壊してほしかったわ。

なんでJJエイブラハムがシリーズ通しで監督か脚本やらなかったのさ! 


「スターウォーズ/最後のジェダイ」wikiの「批評」欄に気になる文があったんだけど、

ジョージ・ルーカスは代理人を通して「Beautifully Made.(見事な出来だ。)」と称賛した

www.hollywoodreporter.com

 

なにこれ、本当なの? ルーカスはどういう意味で言ったのかを知りたいところだわ。本当はいろいろ言ったのに、前後カットされてそこだけ切り取られただけだったりして。

 

 

新たな世界観?

新たな世界観といえばそうなるし、過去から培ってきたものを断ち切ったともみえる今作。なんかもうディズニーの全世界にウケるように売れ売れ攻撃がすさまじいんだなとしか思えない。(ルーカスフィルムなんて、スターウォーズ専門のディスニー下請け業者じゃんか~)

まず、「赤」の多用とアジアテイストの盛り込みぶり。赤はダークサイドを強調するためのキーカラーだとどこかの記事でみかけたし、芸術的な観点から色を効果的に使うことは欠かせないものだけど、スノーク部屋の赤い壁とか、レジスタンスが降り立った星の土地が塩田で触れると赤くなるとか、帝国の武器もついに鎖鎌とかヌンチャクでてきた! 極めつけは、ルークがベンの総攻撃を受けた後に飄々とした顔で左手で右肩を払う仕草、あれはもう有名なブルース・リーじゃん(と私は思ったよ)。そこまでやるなら指先曲げてベンを挑発してほしかったわ。

レイが壁に向かって両親のことを尋ねるシーンもシュール。なんだかカルトっぽくて従来のスターウォーズになかった映像表現。記憶をたどるなら前作でレイがライトセーバーを触れたときのシーンのほうが幻想的でよかったけど、レイの心理描写らしき鏡が重なる演出の意図がイマイチ理解できず、ひと昔前のB級カルト映画みたいでチープに感じました。

アート的にみれば、今までとまた嗜好が違うテイストともいえるし、中国~アジアを意識したのかなともみえる。中国ではスターウォーズは人気ないみたいなので、将来的に人気が出るように躍起なのかも。当てたらでかいですからね。

 

taiyaki.hatenadiary.com

 

アジア市場向け&ポリコレ意識になっているのは、ルーカスフィルムがディズニー配下になったころから如実。

前作「フォースの覚醒」でフィンの起用、「ローグ・ワン」に至っては中国系アメリカ人の多用、今作でのローズ役(ベトナム系アメリカ人だそう)の起用からして、中国をはじめとするアジア市場を意識した作りといわなくてなんだというの?と言いたくなる。だからって、ローズ役はなぜあのルックス?と思いませんでしたかみなさん。

 

こんなふうにディズニーという巨大な力がすべてを変えていくんですね。

 

www.iza.ne.jp

 

 

やっぱりルークが「最後のジェダイ」

あんなに若くて威勢のいい青年だったルークも、ジェダイとはいえ引きこもり偏屈ジジイに成り下がる。レイが訪ねていったのに「帰れ!」っていうジェダイらしからぬ横柄な態度にガッカリ。

ジェダイなのにカッコわるいと思ったし、ジェダイたるものどこかで聖人でいてほしいと思っていた自分がいたんですね。これって、ジェダイをを聖人君子として崇め、カッコよくてきれいで正義で間違いがない全知全能な存在でいて欲しいと思っている古参ファンの私。

それが今までの勧善懲悪なヒーローの世界観だったし、それこそがスターウォーズのストーリーとして成り立たせる絶対条件でもあったわけです。

それが、ルークがみっともないうえにベンの強大化するダークサイドに気づき、一瞬殺めようとしたこと(つまりこれがジェダイとして過ちだったということ)をルークの立場、ベンの立場で語られ、ジェダイも過ちがあることを突きつけられる事実。「善」が存在するためには「悪」が必要だけどさ~。観ているこちらは軽いショックを受けました。

まあでも、スカイウォーカー家はアナキンがジェダイのルールを破り、子供を作ったことで子孫ができたわけだし「善」だけじゃなかったじゃん。そういう意味では光も闇も元からどっちも必要だったんだけど。

このあたりはもう少し深く掘り下げてほしかったキモの部分だし、今後フォースが変化するうえで肝心なところじゃないかよ~と思ったし、もう一回ちゃんとみないと制作側の意図がくみ取れない部分でもありました。

 

ヨーダのエネルギー体が現れたときは「帝国の逆襲」のルークとヨーダの修業シーンを思い出したなぁ。一番好きなシーン。フォースやジェダイについて粛々と語るヨーダについていこうとする青年ルーク。それももうはるか昔のこと。

ここでもリスペクトどころか、ヨーダによってジェダイの経典はためらいもなく燃やされ、悩めるルークに失敗経験を伝えることが大事だと諭すけどもう時は遅し。ベンにもレイにも伝わらないまま、ルークもエネルギーになっちゃった。ねえ、ぜんぜんレイに教えが伝わっていないけどいいの?

 

ジェダイ経典もなくルークもいない。ライトセーバーも真っ二つ。ジェダイの精神は受け継がれずあっけなく終わった。フォースが強大なだけの中途半端なベンとレイが残っただけじゃん。ジェダイの終わらせ方としてはあんまりだわ。

もはや「ジェダイ」というくくりでは収まり切れないほど強大になったフォースの存在。しかも血筋という概念すら超えてきた。

これは観る側も新しい概念を受け入れるしかない。

 

もう、フォースはなんでもありなんだって! 

 

ルークとベンの肉親対決も、かつてのダースベイダーとオビワンを思い起こす。全身全霊をかけてベンに向かっていく姿は、今まで逃げていた事実に向き合ったルークの壮絶な戦い。悲しいかな、それがルークの最後となってしまった。


どこかマーク・ハミル自身の順風満帆ではなかったキャリアともかぶってしまうからこそ醸し出せたルーク役。まるでそのために人生重ねてきたの?といいたくなるくらいルークの抱えてきた葛藤ややるせなさ、絶望が演技以上のものを感じさせ、勝手に思いを馳せて泣けました。

 

 

フォースはなんでもあり

前作「フォースの覚醒」というサブタイトルは、レイが覚醒したことであると同時に「フォース自体がさらに覚醒した」という意味な気がする。

もともとスカイウォーカー家の血統でのストーリー。レイは誰の血統なのかとばかり気持ちがいってそれを想像するのも楽しかったし、今後もその線でいくのかなと思ったらあっけなく否定され、レイの出生の秘密が血筋でも何でもないタダの人。ここもサラッとセリフで説明しただけでレイも真実に対してショックな感じでもない。あまりにもカジュアル。この路線でいくの? いきなり誰もがフォースに目覚める設定?

なのに、フォースの力だけはやたら強くて、ベンに意識を向ければすぐにリアルタイムな会話ができて、会話以上に意識の奥まで入っていける。フォースチャットですよ。

かつて、ルークとレイア、ダースベイダーは「フォースを感じる」と言って、それぞれに思いを馳せることで気配を感じるという表現だけだった。それが、今は気配どころか、電話のごとくリアルに会話ができて場所はぜんぜん関係ない。二人のフォースは異常に発達している設定になっている。

それはルークもレイアもフォースエネルギーが底上げされていて、レイアは気配を感じるだけでなく宇宙空間を自ら移動するという離れ業をみせたし、ルークはベンとレイのリアルタイム通話を強制的に遮断させたり、遠隔地から意識を送りホログラムとして壮絶な戦いを繰り広げたりする。

もうね、フォースの特別感はない。精神性や重厚性はルークがちょっと説明したのみ。他のヒーローもの映画のような単なる技になってしまった。

今後はテレビシリーズ「HIROES」みたいに能力者増やすんですかね? そうすれば延々とシリーズを続けられるし、無尽蔵にキャラクターを作ることができるものね。

 

 

必要ないんじゃないかと思ったシーンとかキャラとか

以下羅列すると・・・

正直、とにかく最初の戦闘シーンが長くてだるい! ひたすらやられ続けるレジスタンスがつらい。このシーンは時間半分でよかった。

笑いをとるのもなんか中途半端。

フィンが逃げようとすることでローズという整備士キャラが登場しロマンスねじ込んだり、カジノ行ってわざわざ鍵屋を探さないといけないくだり。ラストシーンにつなげるために必要だったんだろうけどまわりくどい。どうでもいいエピソード。

なんの脈絡もなく突然現れるベニチオ・デル・トロ扮するDJ。

レイアを昏睡状態からの新しい責任者任命とポーとのコミュニケーション不全

フィンの上司だったキャプテン・ファズマとの戦い、強調する必要あんの?

可愛かったけどポーグいらないし、いろんなクリーチャー強調し過ぎ。
(あ!キャラ立ちさせてフィギュアを売るためか!)


まとまりのない脚本だし、ローズ、DJ、ホルド中将この三人のエピソードをカットしたら30分は短縮できたはず。そしてローラ・ダーンやベニチオ・デル・トロのムダ遣い。有名俳優をねじ込みたくて作ったエピソードのようにも見える。ああ、もうボロクソだ。

 

 

最後に思うこと

今作でジェダイを終わらせようという腹積もりがあるんだったら、ルークの心理描写をじっくり掘り下げて、カタルシスを感じさせてほしかった。それなら「最後のジェダイ」という意味で納得できるのに・・・。

どうせなら美しく壊れてほしいというのは観る側の勝手なエゴだけど、子供が何も考えずおもちゃを踏み壊したような、中途半端な壊れ方は悲しいと思ったのは事実。

ツッコミどころのほうが多くボロクソに書いたけど、殺陣のシーンはめっちゃカッコよかったし、ジェダイでもなんでもなくなったレイとベンの成長と展開は楽しみでもある。後半のマーク・ハミルの渾身の演技もよかったし、泣けるところもあったということは書き添えておきます。

 

自分が古参ファンであり、新しい変化を純粋に楽しめず頭が固い老害になってしまったと思う反面、ライアン・ジョンソン監督より若い32歳のディミアン・チャゼル監督「セッション」は面白いと思えるってことは、やっぱ監督・脚本がマズかったということじゃないかなぁ。

 

次の作品は、旧シリーズ主要人物は一人もいない(チューバッカはクリーチャー扱いなんだろな)。新キャラだけでどう落とし前をつけるのか見届けてやろうじゃないの。