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【ノーサイドゲーム】最終回感想:池井戸テンプレを忘れるほど浜畑の漢に惚れ惚れする

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『ノーサイドゲーム』最終回が終わって、予備知識を入れたタイミングでラグビーW杯が始まりましたね。ドラマの影響はすごいんだなと思ったのは、私も劇中の松たか子よろしく「ノーラグビー」な人間だったのですが、ドラマを観ていくうちにいつの間にか興味が湧いてきたという、テレビ側からしたら「思うツボ子」。BSでやってた『オールブラックスの血統』を録画してみてたり、『さし旅』のラグビー関連企画番組を見たり。いいんです。それで自分の世界が広がるのならば。

 

あれだけ1話2話をこき下ろした私が、この最終回もう何度観ただろう?ってくらい観まくっていて、何度観ても男同士の共感や抱擁にグッとくる。ボロクソに言って本当にごめん! 初回は米津玄師の曲との違和感しかなかったのに、だんだんドラマとマッチしてきて何度泣かされたことか! 

 

 

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もうね、池井戸潤原作のものは日本人の喜びそうなポイントや鉄板どんでん返しが盛り込まれているので、だいたいの展開って読めてくるじゃないですか。案の定、崖っぷちの社会人弱小ラグビー部とその部を抱えている企業、両方の逆転劇だとわかってる。そういうのは『ルーズヴェルト・ゲーム』『陸王』でもさんざんみたし、苦労して苦労して最後はスッキリ爽快感で終わるのだろう、ただそう思っていました。ああ、テンプレ通りお約束なんだなと。

 

それがどうよ。観続けていくうちに、ラグビー部の群像劇、栄光と挫折、その中でもアストロズのエース浜畑(廣瀬俊朗)というキャラクターの変容と男っぷりのすごいこと! このドラマは池井戸展開よりも、浜畑の漢を堪能するためのドラマといっても過言ではなかったわ。男として何を守りたいか、何を守るのか。久々にこんな男臭いというか、純粋に「男」という本質を垣間見たドラマだったなと思いましたよね。

 

最終回ではもう池井戸原作ということはどうでもよくて、今の社会における男の有様を見た気がして、フィクションとはいえ日本という国で働く男はなんと辛いものかと思わずにはいられなかったわよね。

 

日本における実業団、プロスポーツの体質、意識の低さ、決して恵まれているとは言えないトレーニング環境。諦めて情熱を失い腐っていくサラリーマン選手たち。チームを束ねる監督やGMの力量とかかなりリアルだったし。実際に私の地元にもいくつかスポーツチームありますが、まるで1話のリアル・アストロズ状態よ! 地元ニュースで紹介されても、どこか覇気がなく「目標はリーグ優勝です!」って言えない選手たち。今の日本のスポーツってこんなだから、選手たちも辛いし、チームを抱える企業も辛いよねって話よ。

以下、ドラマのネタバレが含まれますので、観ていない人はご注意を。

 

 

 

浜畑の漢ぶりにとにかく惚れる

君嶋GM(大泉洋)、柴門監督(大谷亮平)他、それぞれの立場で守るべきもののために戦うところはもちろんだけど、やっぱりドラマ通して浜畑の存在が大きかったですね~。浜畑は元日本代表でもあり、チームを引っ張るスタンドオフではあるけれども主将ではない。それでもみんなから一目置かれる存在だからこそ発言力は強いし、周りに影響を与える存在でもある。

 

どこか斜に構えた風情は、崖っぷちチームで周りから期待されるでもなくどこかあきらめムードからきていたのだろう。チームのムードも勝ちにいきたいというより現状維持が精一杯で、まったくやる気も感じられない、熱も感じないわけよね。社会人チームということもあり、仕事と両立させながら十分な環境もなく、自身も怪我や年齢的に厳しいと感じながらラグビーを続けている設定。

 

新しくやってきた君嶋GMとはなにかと反目し合う場面もありつつ、真正面から向き合うことで少しずつ同じ方向を見ていることを互いに理解し、距離を縮めていく様が男っぽいというか、多くを語らずつらい状況を乗り越えてきた同志だからこそ通じるみたいな、あれは男性特有の共感なんだろうな。

 

浜畑は他のメンバーとはいつも見ている視点が違っているわけ。だからこそチームメイトからの信頼も厚いのだろうけど、君嶋GMとの出会いによって本来胸にしまっていた熱い思いが蘇ってくるところから浜畑の漢がじわじわと出てくるのよ。

 

GM視点=チームが強くなること、チームを存続させること、チームを愛していること、という目的や存在意義がGMとだんだん合致してくるんだよね。浜畑もGMと出会うまでは、仕事とラグビーの両立や、強くなりようがないチームのあり方に、だんだん気持ちも削がれて上昇志向が折れかけていたわけだ。それがあるときから熱い思いが再燃しはじめてからは浜畑本来の輝きが増すところがまたいい~~~!

 

7話では、サイクロンズの監督からの引き抜きのための密会をする浜畑。アストロズに一物感じていた浜畑がいよいよ高待遇で移籍するのかと思いきや、移籍したのは里村。これは意外な展開だったけど、ここでも浜畑の漢っぷりがすごくしびれる。浜畑は選手当事者であるからこそ、勢いのある里村が上を目指す気持ちは痛いほどわかるし、絶対に今よりも環境の良いチームを選びたい気持ちもわかる。

 

里村は上に行きたい気持ちから、周りを鑑みず決断してしまったことが反感を買ってしまい、他のチームメンバーが里村に対して裏切り行為だと責める中、浜畑は決して里村を責めない。なぜなら自分も同じように引き抜きにあって、里村と同じように多少なりとも迷いもした。誰もが今よりも上に行きたい気持ちがあることや、新しい場所へ送り出すことを諭すところなんてもう男の中の男! 

 

さらに、退職が決まった里村が職場で無理難題仕事を押し付けられているときに、里村のところにさりげなく浜畑が現れて、里村は責められるのかと思い弁解めいたことを話し出しても、「家族が困っていたら助けるのが当然やろ」と仕事の手伝いにやってきたのよ~~~。は~~もうここでも浜畑の漢にしびれたし、惚れた。なんて器のでかい男なの!!

 

8話では、途中から同じスタンドオフとして入ってきた七尾(真栄田郷敦)は事実上のライバルなんだけど、彼もまた膝の怪我の影響からスタミナを維持することができないウィークポイントがあったわけね。そのことに気づいた浜畑が、スタメンを決める紅白戦前に浜畑が鍼灸の先生を紹介して「ベストのお前を倒してやる」と言いながら七尾のコンディションを気遣うとかさー。これこそラグビーの精神そのもので、もう生き様すべてがノーサイド浜畑よ。試合以外では敵味方関係ないのよ。は~~~この場面でも浜畑、男だね~~~と惚れ惚れしちゃう。



8話以降はもう毎回毎回『馬と鹿』の流れるタイミングで泣かされた。スタメンを決めるシーンが秀逸で、柴門監督のなんとも言えない苦虫を噛み潰したような複雑な表情でスタンドオフ発表するところなんて、近年の大谷亮平の会心の演技なんじゃないかってくらいいい演技だったのだけど、柴門監督が選んだのは七尾だったわけよ。

 

浜畑が控えか~~!?に驚いたけど、実際に浜畑の中の人、廣瀬さんが前回W杯で南アフリカ戦をベンチで見ていて出場できなかったという経験あったのですよ。だからこそ、浜畑がスタメン落選を聞かされたときのなんともいえない表情がにじみ出たんですね。あのシーンもほんと、泣けた。悔しいんだけど相手を称えリスペクトする浜畑の男っぷりよ。これは廣瀬さんじゃないとできないわ。

 

スタメン落ちとはいえ、結局、七尾の弱点が相手チームに露呈、浜畑と交代させるところも、浜畑は腐りもせず、七尾に対して心を揺さぶるプレイをするところがまたかっこいい。すでにこの時点で、後進育成の意識に立っていたんだと思うのよ。

 

そして最終回。試合シーンは何度見ても泣ける~~~! ここまでくると最終回前半のトキワ自動車『半沢直樹』風倍返し展開はどうでもいい。だけどラグビーの試合もかなり厳しい展開に持っていくあたりは前回W杯の日本vs南アフリカを模しているのか、見応えのある面白い展開。

 

このドラマのおかげでラグビーの点数の入り方はわかったけど、攻撃方法とかはいまだにぜんぜんわかんないです。そもそもダブルスタンドオフとか、里村のポジションチェンジとかわかっている人にはさぞ面白かったでしょうけども。いつか理解できたらいいな。




困難を乗り越えてきた男たちへの共感

もう名場面といってもいいね。前半戦が終わってダブルスタンドオフとして出場する浜畑に、怪我の心配をする君嶋GM。ここでの浜畑の漢があああ!

 

今後…そんなものありません。俺の選手生命は今日で終わりです。

GMには心から感謝しています。あなたに会えてよかった。

 

 

選手生命は今日で終わる。ずっと愛して守ってきたこのアストロズで優勝できるのなら、足の怪我などどうでもいい。勝つことしか考えていない。万感の思いで伝えた言葉。浜畑の腹は決まっていたのよね。腹を決めた男のかっこよさったら! 

 

君嶋GMも浜畑も、互いに何度も崖っぷちに立たされては乗り越えてきた。諦めそうになったことだって何度もあった。それでも諦めずにここまでやってきたわけだよ。大泉洋のあの切ない表情もすごかったし、最終回にして演技素人からだいぶ演技がさまになってきた廣瀬さんの精一杯の表情がたまらなかったわ。あれは彼がラグビー界で培ってきた経験を総動員し、演技というより彼自身のアスリートとしての生き様を表現していたわよね。じゃなければ、あんな崖っぷちで苦虫を潰したような感情を表すってなかなかできないわよ。

 

試合シーン応援シーンもスローモーション演出で盛り上がり、最後の最後、浜畑は試合中の怪我をもろともせず、逆転まであと少しのところで里村にタックルをくらい、怪我した足を捻って渾身のパスを出す先に現れた七尾くんよ。浜畑は七尾がきてくれると信頼してパスを出したことを表すような演出がニクイ。

 

ああ~もう、ドラマとはいえラグビー試合シーンでの逆転劇はたまらなく爽快だった。でもそれはアストロズが勝ったというよりも、浜畑の苦しみや肉体も何もかも差し出し報われたという噛みしめるような喜びの感覚。そのあと君嶋GMが家族とよろこびあうシーンがあったけど、浜畑が報われたほうの余韻がすごすぎて家族シーンが霞んでしまった。

 

ドラマでも現実でも男性が「守る」という場面は随所にあって、それは家庭、仕事、会社、チーム、選手という立場から、強く守りたいものがあればあるほど力を発揮するのが「男性」というものなのか、それが男性の根源的なものなのかと考えてみた。

 

何かを守り、発展させる。それは男性だけじゃなくても人として誰もが持っている本能というか欲求だと思うのだけど、ラグビーという競技と男社会という構図がそれをさらに強調するんだよね。チームスポーツは何でもそうだけど、とりわけラグビーは家族のような信頼や誇りが強い競技であることがわかるし、ラグビーのバックグラウンドを知るとまさに「守る、発展」なわけよ。

 

昨今「男らしさの押しつけ」とも言われ、男は強くてなんぼみたいなマッチョ思想はあまり好まれなくなってきたし、いろんな考え方や在り方が認められるようになってきたこの時代。それでも筋トレがブームのように盛んなことを思うと、男性が男性である限り、生物学的にテストステロン優位である限り「強い男」でありたい、そういう生き物なのかなと想像する。

 

男性が体を張って、または知識をフルに使って困難に立ち向かい乗り越えるさまは、マッチョであるかどうかは関係なくセクシーだし、私のメスの部分が「は~カッコイイ!」と反応する。

 

昭和世代は「男は黙って高倉健」みたいな男性イメージや美学みたいなものが根強くある気がして、個人的には「黙ってたらわかんねーよ」と思っているので、あまりそういう男性イメージは好きじゃないのだけど、浜畑のように寡黙さは必要最小限、言うべきところではちゃんと伝える浜畑タイプが令和版の男らしさアップデートなのかもね。

 

屈強さや強靭さだけの肉体美だけではダメで、そこに目的意識や精神性が乗っかったそのときにこそ、男性のセクシーさや輝きが増す。こういうのは昔も今も変わらないのかもしれません。

 

君嶋GMなんて肉体美のかけらもないけど、彼なりの戦いを腹を決めて会議で発言するシーンはこの上なくセクシーでよかったけど、それ以上にストーリーを通して徐々に漢を見せつけてくれた浜畑にやはり軍配があがる。フェロモンダダ漏れ、生物学的オスとしての魅力というか、こちらはメスとして無条件に反応したもんなぁ。ドラマ後半戦では毎回惚れてたわ。

 

ということで、このドラマは「男」浜畑譲の漢を堪能しまくるドラマなのよ。人気俳優やジャニーズ系にキャーキャーいうかっこよさとも違って、本能から男を感じるドラマと言ってもいい。ふわふわしたかっこよさではなく、がっつり「男」を感じたい人は一度観てみてね!




浜畑の中の人、廣瀬さんは文武両道で饒舌

なんと言っても、浜畑という魅力的なキャラクターが生まれたのは廣瀬さんがいたからこそ。廣瀬さん、実は工学部出身の理系、さらに最近はMBAも取得されたという文武両道な方。トークも饒舌でドラマの裏側もたっぷりお話しされてておもしろいです。

 

 

 

廣瀬さん、今後も多方面で活躍されるだろうから、めっちゃ注目していきたい人物! またドラマ出るんなら喜んでみるわよ~~。

 

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