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【ノーサイド・ゲーム】1話感想:スポーツチームの存在意義ってなんだろうねって話

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John Walton (51) | Flickr

 

どうしても先入観が先走ってしまう池井戸潤原作ドラマ。またあのどん底から這い上がるパターンかーというのがよぎったし、個人的にラグビーが好きじゃないのでどうしようかな~大人版『スクール・ウォーズ』なのかな~と勝手に想像しつつ、日曜9時枠はお金かかって見応えあるし、キャスティングもバランス取れていたりするので、まずは1話観てみないとねってことで、食わず嫌いせずとりあえず観てみましたよ。

 

以下、ネタバレがありますので観ていない方はご注意を!

 

 

安定の池井戸潤展開

もうね、いかにも視聴者(というか日本人)が喜びそうなどん底&左遷から這い上がるサラリーマン展開がわかりやすくて、期待という意味では概ね外していないと思うんだけど、個人的にはもう飽きてきたかなという印象。言っちゃあ悪いけど、どうせまた全部丸く収まるんでしょ?と斜めからみたくなる気持ちはあったかな。

 

そして、お約束の大会議室でのお偉いさんの会議シーンとか、やたらデカイ会場での社員集会とか圧倒的絵力も健在なので、映像としては見ごたえがあったし、ラグビー場を高いところから垂直に映した映像は芝の美しさも相まってなかなかの迫力。演出もさすがに日9を多く担当しているスタッフらしく、今までの池井戸潤作品ドラマと遜色はないので、ここも安定してる印象でした。

 

キャスティングも最初は大泉洋どうなんだろう?と思ってたけど、40代過ぎてからいい感じに歳を重ねて、お笑い要素だけでなく重厚な役も似合うようになってきての今回の主演。脂の乗ったベストタイミングな気がしましたね。期待していなかった分よかったよかった。

 

経営戦略のプロというキャラ設定は合っているし、唐沢寿明みたいな「いかにも」感がなくていい。体の線の細さがやたら強調されてた気がするのは、後半の土砂降りの中で何度も何度もタックルで向かっていくシーンで、屈強なラガーマン(=逆境)との対比のようにも見えたし、まったくもってラグビーと縁がないし、ラガーマンにもなれない様を表していた気がする。

 

スポーツと縁がない、むしろラグビー嫌いな君嶋GMが「戦略」という武器を使って廃部から存続へ意識を変えたところは、ただの美しいスポ根ドラマなのではなくて、企業の傘下にあるプロスポーツチームの厳しさや存在価値、現実といったものを、わりとリアルに描写してる気がするし、面白いと思いましたね。

 

妻の松たか子、あのテンションは確かに適役。明朗快活すぎてちょっとうざいくらい。子どもが受けたイジメに対して真っ向から「許さない」と臨戦態勢に入っているのに対して、夫がまず言い分を聞こうとするところとか、夫婦間の立ち位置も1話から明確になっていたのもわかりやすい。息子・博人役の市川右近くんよ、子どもなのに只者ではないオーラが半端なく、やたら体幹整っているなーと思っていたら、歌舞伎俳優の市川右團次さんの息子さん。どうりでね。すでに大物の予感がするよ。

 

トキワ自動車・滝川常務役の上川隆也、うーん、見た目が若すぎる。やはりセサミン飲んでいるせいかしらね。どうしても声質が上ずったような声なので、いまいち迫力に欠けるのが残念。主人公とぶつかるならやっぱり香川照之くらいの脂ぎった迫力はほしいところ。

 

アストロズ次期監督になるであろう大谷亮平もテレビ出過ぎ。ちょっとおなかいっぱい。あと、女子アナ枠なんか作らなくてもいいのに、わざわざ川田裕美を起用するところにイラッとしたな。

 

今後のドラマのキーとなりそうなのが、ハカのシーンでちょいちょいアップになっていた彼。サニー千葉こと千葉真一の息子であり、新田真剣佑の弟でもある眞栄田郷敦(まえだごーどん)くん。ゴードンですよゴードン。真剣佑の名前を聞いたときも最初はびっくりしたけどその上をいくわね。彼も帰国子女なので英語はネイティブだし、なによりルックスが今回のドラマに合っている! 

 

ドラマの役としては、ラグビーの本場ニュージーランドで選手として活躍するも、怪我をして日本に行って経営を学ぶ的な役柄と展開になってましたが、おそらく、君嶋GMと選手の橋渡し的存在になるんでしょうね。いやー、郷敦くん発見できてうれしい。それだけでも継続視聴決定ですよ。最近のドラマは同じ人ばかり出て飽き飽きしているので、こういうのすごく新鮮でいいわー。

 

ということで、キャスティングについては、『下町ロケット』『陸王』ほどじゃないけど、まあまあバランスとれているのではないでしょうか。ただね、心残りがあるとすれば、端役でもいいので山下真司をキャスティングしてほしかったわ。それだけでも中高年の興味をひくのに~。同じTBSのドラマなんだからそのくらいやってほしい~。

 

 

ラグビーに対するディスりをしっかりいれてきた

ドラマ後半、君嶋GMが選手を集めて鼓舞する長台詞シーンなんて、どこか『スクール・ウォーズ』っぽい気がしたね。昔のドラマでは、生徒を鼓舞するために「今から俺は殴る!」とか言っていきなり殴るシーンがあったけど(今なら大問題よ)、さすがに大人相手だからね、そういうのはないよ。

 

殴るよりも精神的にチームの価値のなさや、今置かれている現実を突きつけるというなかなかの熱いシーンでよかったし、これが大人のプロスポーツがいかに経営と結びついているかを知らしめた名シーンでしたね。

 

こういうスポーツ絡みのドラマって、その競技ありきで否定などない設定で作られるものがほとんどじゃないですか。それが、今回、いきなりラグビーに対するディスりをしっかり入れてきたことに驚きましたよ。

 

主役がまずラグビー嫌い設定から始まって、ラグビーは当事者とその関係者しか知らないとか、ムリヤリ盛り上がっている、女子にウケず「むさ苦しい」と言われる、自社のチームなのにポスターを貼っても邪魔扱いされて、その上から食堂メニューの値段が上がったことを知らせるチラシを貼られてしまう。ラグビー観戦よりサッカー観戦するために部下であるラグビー選手にサービス残業させるとか(ここはけっこうエグいと思ったよね)、ガチな世間のラグビーあるあるな気がしたわ。

 

だって、今年のワールドカップ開催にしても、マスコミが必死で盛り上げているけど、なーんかイマイチ盛り上がらないしワクワクしない。申し訳ないけど、オフィシャルサポーター芸能人を一生懸命あてがっているわりには、ぜんぜん盛り上がりが伝わってこない。せいぜい朝の「ZIP」で毎日開催までのカウントダウンしていることで「あーそうなんだー」くらいの認識。たぶん、世間的にもそんな感じの温度じゃないかしら? 

 

正直、私もラグビーが苦手です。主人公と同じで、過去にラグビー経験者絡みで嫌な思い出があるから。スポーツそのものが悪いわけではないし、あくまでもその人間との思い出が悪いだけなんだけど、あまりにも嫌な思い出なので、どうしても人間と競技が結びついて離れなくなってしまった。それ以来、競技そのものも受け付けなくなってしまって。

 

主人公・君嶋GMとラグビー嫌い視点は同じなので、ある意味共感できる部分もあるし、ドラマを最後まで完走したあとに、少しでも自分の中の誤解も解けていたらいいなと思っていますし、苦手は苦手でもそれとは別に君嶋GMの経営戦略は大いに学びたい気持ちにはなりました。

 

とはいえ、1話を観て「ハカ」の文化的な意味を知ったことだけでも見た甲斐あったし、ちょっとかっこいいって思ったのも事実。さらにYouTube動画みたらますますかっこよく見えてきたよ。なんか、男性の肉体的強さの根源を見せられているような感じがめっちゃかっこいいんですよ。

 

 

 

 

スポーツの社会貢献ってなんだろう

以前、『ルーズヴェルト・ゲーム』で野球部の存続うんぬんと企業合併や再建が同時進行展開だったので、それとちょっと似たところがあるのかなというところは否めないけど、今回のドラマの注目すべきところは、君嶋GMとしての手腕、君嶋家の行く末、高齢化したチームの意識改革、企業とプロスポーツの共存と経営。(ラグビーというスポーツの人気回復も主たる目的なんだろうな)

 

日本は、野球とサッカーというプロスポーツは認知されているけれど、他の競技や、特に各スポーツのトップリーグ以外の地方チームなんて、それこそアストロズみたいなもん(アストロズは独立したプロチームじゃなくて企業看板を背負った実業団チームだよね)。

 

チーム経営もままならず、仕事と競技を半々で掛け持ち。なんとか地元企業のスポンサーはいるものの、観客動員数もファンも少ない。もちろん有名選手など呼べるはずもなく、呼べても過去にトップリーグに在籍経験のあるピークを過ぎた高齢選手だったりする。そんな地方のスポーツチームなんて全国にゴロゴロいるわけよ。

 

ラグビー部の存在意義は「社会貢献」というセリフがあったけれど、ここはすごく考えさせられる部分でもありましたよね。本当にそれは貢献なのか? 競技者であるというだけで価値はあるのか? 結果を出せませんでした~で許されるのか? 

 

かなり君嶋GMも辛辣なことを言っていたけど、そのとおりなんだよね。ただお金出して終わりの慈善事業じゃない。チームとして存在している以上、勝つことは大前提だし勝たなければ意味がない。企業の看板を背負う以上、強いということは企業イメージを高めることに貢献するということだから。

 

そういう意味では実業団チームってつらい。もっと強くなりたいのは誰も同じなのに、経済的理由から競技以外のことを強いられることも多いし、でもお金がないと運営もままならないというジレンマ。そうなるとやはり必要なのは君嶋GMみたいな頭脳なのよね。ラグビーは直接やらないけれど、どれだけ経営という立場から再起を図っていくのか。そして、選手たちやその周囲の人間がスポーツの存在意義を「社会貢献」と認知するのかどうか、そのあたりの展開、どうなっていくんでしょうね。

 

スポーツの存在意義って、やはり「夢」の部分が大きい気がします。そのすごいプレーを観て興奮したり悔しかったり、選手が本気でプレーする姿をみせるだけで、観ているこちらは元気が出る。そして、そこにサポートするファンや企業がいて、お金が循環して、またすごいプレーを目の当たりする機会が増える。いい循環があってこそ社会貢献なんじゃないかなぁ。

 

まず、郷敦くんみたさに継続視聴決定~~。

 

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