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【おんな城主直虎】44話感想:色小姓から脱出したい万千代と祐椿尼の別れ

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Christian Kaden | Flickr

 

色小姓として認知され、寵愛を受けていることを得意に思っていた万千代。それがいつのまにか万千代を息苦しくさせ、万千代の葛藤と顔芸が一段とおもしろいことになった44話でした。

 

 

以下、ネタバレ注意!!

 

 

色小姓扱いがしんどくなった万千代

前回では「殿の寵愛を受けた」と特別扱いされたことを自慢げに言いふらしていた万千代。それが、今回では色小姓ゆえになにかと立ち回りしにくくなるわけですね。

戦に出陣できるのはいいけれども周りが色小姓として扱うため、戦の場所に連れて行ってもらえず「殿の大事な色小姓、ケガをされては我らが叱られるがゆえ」と忠勝に言われる始末。せっかく家康のそばにいて軍議が聞けると思ったのに、色小姓の役割は違うわけですよ。出世したくてたまらない万千代の悔しそうなこと! 家康に直訴して戦に連れていってほしいと言っても「日の本一の小姓ぶりをみせてくれ」とかわされる。家康からしたら、こんなに一生懸命なら可愛くて仕方ないんだろうな。ため息交じりの顔芸がおもしろかったわ。


「なんとか殿に元服を願い出た方がいい、色小姓扱いだと寝所に閉じこめられる」と悩む万千代。ここでもなんとかこの状況から抜け出そうと考えるところが万千代のすごいところ。一瞬ふてくされた後に、できることはないか知恵をしぼるところ。陣中に怪しいものが入ってきたらすぐ反応できるように罠を各所に作ったりして、今いるところで懸命に尽くすところは見習うべきところだわ。私もこんな部下ほしい~。

 

色小姓は「殿の寵愛」をうけていて一目置かれる存在なのかと思いきや、やはり色は色。他の大人の家臣たちはやっかみもあるんだと思うけど、絶対下ネタでしか考えてないし、そういう意味でバカにするのよね。いつの時代もエロジジイはいるものよ~。

 

 

元服とは?

元服とは、今でいう成人式みたいなもので13~15歳ごろ(遅ければ20歳過ぎ)に幼名から改名する通過儀礼のこと。

 

万千代は、家康のところに来たのが15歳、小姓になってから4年と言っていたので、もういい年齢になっているんですよね。史実によると「天正10年(1582年)22歳で元服」とあるので、次回あたりでそろそろ元服するのではないでしょうか?

 

最後のシーンで、末席に加わった万千代が他の家臣たちに「色小姓」以外に「前髪じゃないか」と言われていましたが、「前髪」とは、元服前のまだ一人前の武士ではないこと。元服すると、それこそ前髪部分を剃り落とし髷を二つ折りに結います。万千代は名前も幼名だし、前髪もそり落としていない小姓なので、他の家臣たちが驚くのも無理はありません。

 

 

芸能人は歯が命!

なんのこっちゃ?な見出しですが、妙に感激したので書いちゃいます。
田中城攻めのヘルプに信康(平埜生成)が加わり、陣中で薬係・万千代の元へ信康とその家臣・武助が薬湯を求めに現れるシーン。

 

前から思っていたけど、信康が笑って大きく口を開けると、芸能人は歯が命!といわんばかりに、めっちゃ歯がキレイなのよね。信康、爽やか~~~! 

アパガードしてるのかな?

 

 

 

でもでも、家臣・武助がそのあと武田の命で家康暗殺未遂おこしちゃったから、来週あたりサヨナラ信康かもしれない~~。切れ者で爽やか信康が好きだったのに~~~!

 

 

 

万千代、遠山の金さん?

周りからは色小姓としてみられ悔しい万千代は、もっと出世し家康に認められるための策を練ることに余念がない。そして、ついに大手柄をあげるときが来たのよ! 

 

家康が戦(というか田畑を焼きに行っただけ)から帰ってきて薬湯を求めたときのこと。家康の寝所で爆睡している万千代。陣中で見張りのため睡眠もとれず、万福も居眠りばかりしていたのも、そのくらいたいへんだと見せかける万千代爆睡ための伏線になっていましたね。

 

万福や家康が起こしてもぜんぜん起きないため、万福が他に薬のわかるものがいないか探しに行く。このとき、万福があれだけ万千代のそばにいながら薬のことわからんのかーいとガッカリしたけど、ここはそうしないとストーリー展開しないのでスルー。

 

やってきたのは信康の家臣・武助。毒見もせず家康に差し出そうとしたとき、万千代が武助の椀を持つ手を阻止。毒見をせず暴れだした武助は、家康の命を狙う間者だったのだ。

 

命が助かった家康は、なぜ気づいたのか万千代に尋ねると、薬箱の留め紐の結び目が違っていたことから誰かが触れたことに気づいたとのこと。だからわざと爆睡のフリをして呼び寄せることに成功したわけだ。あったまいい!

 

この寝所での武功により、一万石の知行(武士に支給される土地)を与えられることになったわけだけど、寝所で槍を使っていたことが、のちに他の家臣たちから「それはたいそうな槍をお持ちじゃ!」と揶揄されることになるのね。もう絶対下ネタで想像しているよね。だって、一万石与えられるほどの「技」って思っちゃう~。やーねー。

 

末席に加わるシーンで、またしても色小姓でバカにされウワサされることに耐えかねた万千代が、いきなり右肩を脱いて肩口をみせる! こりゃまた遠山の金さん?桜吹雪が出るのか!?と思ったら、それは寝所でもみ合ったときに斬られた傷だった。これで「色」で認められたのではなく武功であることを知らしめたわけね。

 

万千代の若さ溢れる血気盛んなところや、表情がクルクル変わるところは、みていて成長を楽しませてくれる反面、尾美としのりさん演じる榊原の終始クールな表情がカッコイイの! 万千代がキャッキャしているから余計大人のクールさがにじみ出ていてステキ。ほんと、名バイプレーヤーぶりはさすがです。

 

 

 

おとわと万千代の対立

命幾ばくも無いおとわの母の計らいにより、万千代がおとわの元に呼び寄せられる。意地悪ババアと罵っておとわに手綱を握られていることを悔しがる万千代は、やはりまだ若造といった感じで、周りが見えていないことがおとわとのコントラストではっきり見えてくる。


たしかに、武家とは力関係で土地を奪ったり奪い返したりするものではあるし、武士たるものそういうものだ、という頭しかない万千代に、さまざまな経験を通してみえたものがあったおとわ。これはおとわが通ってきた過去、万千代の描こうとする未来が拮抗したとてもいい場面でした。おとわの「民の繁栄のために生きる」という在り方は、力で土地を制圧する武士の世界ではとうていありえないし、万千代の目から見てもいっこうに戦わず「負け犬」にしか見えないおとわの在り方は、井伊を復興させたい万千代からすると歯がゆいのでしょうね。今の自分ならば力でどうにかできるのに、と。すっかり天狗だよ万千代。まだ元服してないのにね。

 

そこは大人なおとわ。井伊を納めている近藤の立場やいろんな人間関係があるからこそ、立ち回りは気を遣いたいと思っているんだけど、なかなかそこは理解してもらえないのよね。対立しあうおとわと万千代。でもこの先、なんでかんで家督を譲るのよねきっと。おとわがどういう経緯で家督を譲るのか、ドラマでどう表現するのか楽しみです。

 

 

最後まで役に立ちたかったおとわの母・祐椿尼

今回の最高のみどころでもあり、悲しい最後のシーンでもあったおとわと母・祐椿尼。病により命もそう長くはない状態。いつもおとわを見守り助けてきたのだけど、おとわが女性として幸せな人生を歩ませられなかったことをずっと悔やんでいるんですよ。親として子供が幸せであることが一番だけれど、結婚もせず子供もいない姿は親として不憫に思えてしまうものなんですね。今も昔も。

 

でも、おとわが清々しい表情でどれだけ幸せだったかを語るシーンが泣けた~。

 

どこかに嫁いで屋形の奥で過ごしていたら何も知ることはできなかった。百姓やならず者たち、商人を違う視点から見ることもできなかっただろうし、浅はかな自分では偏見の目で見るだけだっただろう。つまずいたり悲しいこともたくさんあったけれど、自分で頭をぶつけたからこそ喜びもたくさんあった。母の優しさを独り占めしてきたし、これほどの果報者はそうそういない、と感謝の気持ちを伝えるおとわ。

 

達観しているあたりがやっぱり尼さんだなと思ったわ。いっときは殿としてトップにいたわけだけど、女性ならではの武力に頼らない人の動かし方だったし、弱いからこそそうするしかなかった。そのことでいろんなことが見えて、助けられてきたことはまぎれもない事実なのだから。

 

おとわも、母のために嘘の気持ちを言ったのではなく本音だったでしょう。幼少期からいろんなことに巻き込まれてきた人生だったし、女の幸せ(結婚、出産)という点では経験できなかったかもしれない。そのかわりに普通なら体験できないことを体験できた。もっと俯瞰してみると、人と人との分かち合い、助けあい、繁栄しながら生きていくことこそ究極の幸せではないか。

 

母はおとわの身を案じ後悔しかなかったのに、子から「幸せだった」と言われることがどれほどうれしいことか。幸せの尺度は本人にしかわからないからこそ、命の旅立ち前にそんな言葉が聞けたことはさぞうれしかったでしょうね。

 

私も母に「幸せだった。産んでくれてありがとう」と言えるような人生になるといいなぁ。