anko alive

アラフィフマダムがあーだこーだと心を動かしつぶやく場所

【おんな城主直虎】43話感想:「色小姓」宣言で出し抜く万千代の出世力

f:id:ankoalive:20171030160513j:plain

Ankur P | Flickr

 

ドラマは、前回の続きの場面から冒頭始まりでしたが、「色小姓として・・・」と万千代に詰め寄り、拒絶されて態度を引くという一連の流れ、阿部サダヲの真骨頂というか絶妙な演技がたまらなくよかった~。近藤役の橋本じゅんさんもそうですけど、セリフの間とか緩急が絶妙。大河ドラマの緊張感の中にふとしたゆるみを生み出すので、他のシーンが生きるんですよ。さすがお二人ともおもしろ劇団所属、呼吸が最高です!

 


以下、ネタバレ注意!!

 

 

 

「色小姓」は最上級の寵愛?

万千代はいよいよ小姓に昇級。「小姓」とは今でいう秘書みたいな役目で、今見たら無駄と思えるような仕事、劇中にも出ていた歯磨き、洗顔、身支度、身辺警護などが平時の仕事。戦では殿の盾となり守る役目。優秀な小姓はそこから上級家臣になるなど人材育成の場でもあるんですね。家柄によっても扱いが違い、徳川譜代出身の小五郎らは生え抜きのエリートといえばエリートになるんですかね。前回みたいに、身分の違うものが手をあげようものなら、大ごとになるのでしょう。
そこへ万千代の家柄はご存知の通り「潰れた家」である井伊家。同じ小姓でも最初から立場の差がある。だからこそ自分で這い上がるしかないし、家柄を超えて自分の知恵や行動をもってのし上がる様は観ていて頼もしい限りだし応援したくなる。

最初から不利な万千代。もともと才覚があるのでおそらく黙っていてのし上がれるはずだし、小姓頭の小五郎を実力で負かしたいと家康に言っていたはずなのに、小五郎はいつまでたっても仕事を教えないし邪魔するばかり。しまいには手柄を横どりしようとするこずるい男。ついに頭にきた万千代は「殿の寵愛を受けているのだ!」と宣言。つまり「色小姓(男色)だ」と自分から宣言しちゃった。えええ~!とうろたえる小五郎他小姓たち。


寵愛を受けることは「(小姓の中では)誰よりもすごいのだ」と宣言しているようなもの。衆道(男色)を好まない家康が「色小姓ということにしておこうか」と言いたくなるくらい、万千代に対して一目置いていたということには変わりないし、色小姓というにしておいたほうが万千代を部下として堂々と可愛がることができるということ。人を使って動かす家康ならではの策略ともいえるのではないでしょうか。

wiki情報を読む限りでは、当時はそのくらい色小姓の威力は強力だったようで、男色=主従関係の強さを表し、多々ある主従関係のなかでも結びつきが強いという価値観があったといわれています。出世の手段として男色の契りを戦略的に使うというのもあったらしいです。

井伊直政の逸話では、「容顔美麗にして、心優にやさしければ、家康卿親しく寵愛し給い」という記録が残っているそうで、それが「色小姓」だったかは不明。でも寵愛というくらいだからそうとう近しい関係だったかもしれませんね。それをドラマではわかりやすく演出したのでしょう。

井伊直政 - Wikipedia

 

劇中のセリフで出てくる「殿は衆道を好まぬ」「衆道」をしらべてみると、んまー平安時代から同性愛が盛んだったことがわかり、もう歴史的にBLありまくりじゃん。昔から美少年は好かれていたってことよねぇ。

なにやら武士道の精神と男同士の情愛は深くかかわるものみたいで、今でも「男が男に惚れる」というのはそれに近いんだろうし、昔は男色が悪いことという認識がない時代だから、状況的に近くにいたら行為に及んでしまうんだろうなぁ。

そう思うと昔は性に寛容だったのねー。万千代が15歳ですでに色小姓の存在を知っているんだもの。インターネットのない時代でも情報早いわー。ちゃんと目上の人が教えるんでしょうねぇ。

 

 

 

万千代の出世力

万千代、色小姓宣言してしまったものの、きちんと実力も兼ね備えているところに好感が持てますよね。小姓頭から仕事を与えてもらえず、しかも黙っていてはなにも教わることができないことを察した万千代が、自ら仕事を探し、家康のために何ができるかを考えて動く。小姓に上がる前に家康が細かなところに気づく人物であることを知ったからには、武功のような派手な手柄でなく、繊細なことこそ家康が気に入ることを理解したってことよね。武功申し立てで疲れた家康に、養生薬を持っていく気遣いは家康のツボを心得ていることになるわけだ。しかもその流れで、武功の情報整理に困っていた家康を助け、朝までかかって武功を書いた紙を見やすく情報整理してあげるのよ!できる男だわ。

小五郎のような従来の小姓だと、与えられた役目はやるけれどただそれだけな感じ。将軍様ありきで命令には忠実だけど意見は言えない。それが小姓たる仕事だし当たり前のこと。(けど、小五郎は武器の手入れも適当だと思われていたことすら気づかないただの残念なボンボンだけどね)

そこへ、なんにも役割を与えられないことが万千代の柔軟さをより引き立てることになり、家康に気に入られ早い出世となったわけ。小五郎、万千代に役を与えなくてよかった。髭剃り係とかだったら万千代の出世が遅れてたしねー。

 

色小姓をダシにしてしまった万千代が、そのおかげで堂々と家康の寝所に出入りできるようになって、用が済んですぐ部屋を出ようとしたら家康から「ああ、ちと・・・ちと早すぎる!色小姓といったからにはそれなりの時いなければ!」 これも脚色だろうけど、阿部サダヲだからめちゃくちゃ笑ったわ。色小姓はもっと濃厚な時間を過ごさないとねー(笑)

 

 

 

今回の家康の名言

家康は数ある武功申し立てから、どこに志気をあげるかを考えなくてはならず頭を悩ませていた。武功第一という家臣たちの意見もききつつ、なにげに万千代にも意見をきく家康。万千代は武功の内容をみてあまりの内容の派手さに驚くんですが、ここで家康の名言飛び出したのよ。

「大きく書くものがいることは承知。眉に唾してかからぬと。これは私の大きな役割じゃ。報いるところに報いないと、人は働いてくれん」

 

世の経営者や管理職のみなさーん、聞いていますかー!この姿勢大事ーーー!報いるところに報いないとー!下の者は動きませんよー!

 

この場面では、武功第一になるとどうしても偏りが出てしまい、岡崎(信康のいるところね)の武功の薄さではどうにも手柄として認められない。がしかし、織田の援軍は岡崎あってのこと。さすがそういう背景や繋がりまでみている家康。将来の戦を視野に入れて考えているので、将来動いてもらいたい岡崎を無下にしたくないわけですよ。そういう先見の目がすごいのよ。そこへ万千代の意見が光るんです。

「殿が方々の働きをすべてご存じと伝えるのが寛容かと。誰も知らぬとも殿が見ていてくださると知るのは心強いもの」

そうよ、そうなのよ。今は大きな褒美には繋がらないかもしれないけれど、ちゃんと見ているよというのが伝われば、下のものは次頑張ろうって思えるもの。

そして、岡崎に縁者がいる万千代を挨拶口実に岡崎に送り、探りを入れさせる。家康、人の繋がりをめっちゃ利用するのうまい! さらに家康の意向をちゃんとくみ取る信康はさすが家康の息子だと思ったわよー。

 


今回も勉強になりました。きちんと人の働きをみて報いてあげることがひとつ。万千代の在り方はあらゆる人間関係で使えそうです。早く出世をしたければ(認められたければ)、その場所で腐ることなく自分のできることを探すこと。そして上司や夫がどんなことなら気づいてくれるのか、何をしたら喜ぶのかを観察して、ここぞというときに行動する。

自分が鈍感で大ざっぱな人間なので、繊細な動きをするのが難しい・・・どうしたものよのぅ。