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【MIU404】5話感想ネタバレ:「文句も言わない安いロボットがほしい」のが日本という国

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毎回、社会問題をぶっこんでくる野木さん脚本は、いつもながら唸らせるなぁ。外国人労働者の環境や仕組みについて、本当によく取材されていると思うし、それをしっかり落とし込んでいるところなんて、すごくリアリティを感じるのよねー。


以下、ネタバレあります。観ていない方はご注意を!

 

 

 

●あらすじ
日本人店員が勤務するコンビニを狙った強盗事件が同時発生する。伊吹(綾野剛)と志摩(星野源)は、現場周辺の店舗でコンビニ店員に扮して張り込みを行うが、なんと、その店舗も強盗に襲われてしまう。さらに付近の店舗も次々と強盗に襲われるが、マークしていた捜査員によって一斉に確保される。犯人は外国人で、その大半が低賃金で労働する元技能実習生だった。

伊吹と志摩も同様に犯人を捕まえるが、二人に仕事を教えた留学生のマイ(フォンチー)が勤務する別店舗では、犯人を取り逃がしていた。その一件が発端で、マイに共犯の容疑がかかってしまう。伊吹と志摩は、マイの関係者から話を聞くために彼女が通う日本語学校の事務員・水森(渡辺大知)を訪ねるが…

 

 引用元: あらすじ|TBSテレビ:金曜ドラマ『MIU404』

 

 

ネットでのハッシュタグの使い方とかベトナムの験担ぎ数字(9がラッキーナンバー)とか、架空の設定なのにリアルに近い。どこぞの某ハケンの品格や某半沢直樹みたいに、いつの時代の話よ?みたいな時代のズレや取材力のツメの甘さがないのが、野木脚本のいいところなのよねー。テレビに対してさりげなくバッサリ斬るところも気持ちよかったわ。

 

なにげにゾッとしたのが、水森がお金を返しに行くシーンで「他にも似たような団体4つもあるからねぇ」と言われたセリフから、室内に映る無人デスクの上に4つの電話機映るとこ! 架空の偽団体が4つあるよと言っているようなあの演出が怖いのなんのって! 

 

水森が手を切りたかった相手が本当は真っ黒な悪党。水森の犯罪なんてごくごく小さいんだけど、自らが汚れないと大物悪党をあぶり出せないラストも悲しかったな。

 

渡辺大知くん、渾身の演技だったなぁ。映画『色即ぜねれいしょん』のフレッシュさからいつの間にか大人になってて彼ももう29歳かー。大きくなってーと親戚のおばちゃん感覚になっちゃったわ。

 

今回、一番印象に残ったシーン、

伊吹:みんなどうして平気なんだろう?

志摩:見えてないんじゃない? 見てしまったら世界がわずかにずれる。そのずれに気づいて逃げるか、また目をつぶるか。

 

そうなんだよ。平気なんじゃくて、見てみないふりなんだよね。私も長く生きてきて、「見てしまったズレ」はたーーーーくさんある。どこにいってもズレだらけで完璧などどこにもないから、逃げるか目をつぶるかしないし、そうしないと生きていけない世の中なんだと思っている。


ドラマで描かれているとおり、本当に技能実習生という名の奴隷なのは事実だし、伊吹が言うように「文句を言わない安いロボット」しかほしくないというのが現実だし、そういうのにほとほとうんざりする。

 

だったら最初からロボット使えや!!と思うんだよ。それこそ、このコロナ禍で実習生を安易に呼べなくなったんだから、ガチでロボットにしろや!と言いたい。

 

これは国単位の話じゃなくて、私たちの労働に対する意識も問題だとも思う。「五体満足でフルタイム休みなく働く人だけがきちんとした労働者」と思っていないだろうか。

 

よく、この手の話をすると「経営者の立場になればわかる」という人がいるけど、それってつまりは完全無欠の言うことを聞く人しかほしくないと言っているようなもんじゃん。もしその立場になったとしても、人を奴隷のように働かせるような経営者にはなりたくもない。

 

人間は、時には体調を崩したり、事故、妊娠、出産、忌引、介護など休むことだってあるのに、そういうのを許さない風潮からやむを得ず退職するしかない場面がたくさんあるわけですよ。私自身それらのことに翻弄されてきたし、そういう人って日本の中にもいっぱいいるでしょう。

 

はっきりいって、「ロボットのように文句を言わず休まず働く」なんて昭和の価値観を引きずった男性社会優位の幻想でしかない。それを長年やり続けて半数以上が壊れてしまったと思うし、子どもを持つ余裕もない労働環境が少子化を招いている一端になっていることに気が付かない日本。異常でしょ。こりゃ。

 

労働力幻想から外れた人に対しては排除や差別しておいての人手不足。世間が言う人手不足というのは「ロボットのように文句を言わず休まず働く」人手が不足しているってだけだよね。

 

世の中がロボット労働を要求し続ける限り、慢性的な人手不足は続くだろうし、そういう企業は潰れるでしょう。潰れてしまえ、そんなとこ。多様性を認め合うこととか労務環境を大幅に変えていくとかしない限り、人手不足はこのままでしょうね。

 

なんてことを、ドラマから派生して考えてしまいましたが、日本の労働に対する価値観が変わっていくことを願うばかりですよ。

 

ドラマのラストで、ナウチューバーRECが意外と社会派だったのかーという驚きと、またしても警察のいる現場に遭遇する偶然。これは出来すぎでしょーと思いつつ、3話の成川くんと菅田将暉映像がまた出てきて、あの絡みも今後浮上してくるのねー!というワクワク感。

 

それだけでなく、今回の劇中、ちょいちょい出てくる志摩の意味深なフラッシュバックと、他の刑事が「相棒殺しが」と吐き捨てたあと、志摩と伊吹交互の画の切り替わりと重なる劇伴曲の緊迫感ったら! さすが得田真裕氏。ドラマ『アンナチュラル』のときからもおーーーーこの方の劇伴大好きなんですけど、今作も裏切らないわ!  

 

謎の人物たちと志摩の過去。どう絡んで終焉を迎えるんだろう? まったく想像付かない。原作がないオリジナルドラマは結末が読めなくて最高ですな。

 

おしまい。

 

 

 

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