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【コウノドリ2】4話:お母さんもお父さんも医療現場も「忙しくて余裕がない」がテーマな気がする

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Amancay Maahs | Flickr

 

なんか、話が進むにつれて辛くて仕方ない『コウノドリ』シーズン2。オープニングタイトルがでるまでの間のエピソードだけでもあまりにつらくて泣けてしまった。

 


以下、ネタバレ注意!!

 

 

 

母としての実感とは

子供が言うこと聞かなくて子育てに悩む妻(安めぐみ)。長女を帝王切開で産んで痛みを知らないから愛せていないと思っている。次の子供こそ参道を通して痛みとともに産みたいと願い、トーラックという方法を希望している。

一方、そういう話を聞いてもめんどくさそうな夫(前野朋哉)。妻さえよければなんだっていいと思っていてどこか他人事なのよ。奥さん臨月なのに「飲みにいくから~」と能天気だし、朝もデーンと座って朝食を待っている態度にイラっときたけどね。や、もしかしたら他の家事は手伝っているかもだけど、どうもそういう描写に見えないので、まるっきりうちのことをしないクズ夫代表とみた。妻と一緒にトーラックの説明をうけに行くのに「午後から会議なんだけど」とかいって、すべて妻まかせでなんにも寄り添えてない夫。前野朋哉のルックスがイヤミなほどリアリティを感じさせるのよ。

ナオト・インティライミ超えたよね。

ほんでまた娘がぐずつく姿を見て平気で無神経なこと言うのよ。もう少しバタバタしないで余裕を持ったらどうかと。安めぐみ、イラっとして速攻返事「朝バタバタしてて余裕なんて持てないよ!」。

こーれは世のお母さん方のこんな叫び声が聞こえてきそうです。

おめーも手伝えよ。朝は忙しいんじゃボケ!おまえは仕事だけしかしてねーだろーが! こちとら妊婦で家事やって、いうこと聞かない子供の育児で24時間フル稼働なんじゃ!

 

よく、子供を愛する表現のひとつに「お腹を痛めて産んだ子だから」的な言葉がありますよね。しかも参道を通ったことの代名詞みたいにとらえられている。この言葉こそがなんらかの理由で自然分娩でなかった妊婦さんを苦しめることになっているのかもしれないと考えさせられました。劇中でも痛みを伴うことこそが「いいお母さん」だと思い込んでいる。それに囚われている姿がいたたまれなくて、泣けて泣けて仕方がないシーンでした。

冷静にみれば、一人目を産んでしばらくは肉体的にもたいへんな中で子育てして、そこに二人目妊娠ともなればさらに思うように動けなかったりする。そんなときにとても余裕なんてない。イライラは当たり前なんだと思うけど、周りに労われるわけでもなく、あのように夫は我関せずで仕事ばかり。当人にしてみればイライラしか募らないのでとうていいい母親だなんて思えないし自分を責めるしかないでしょう。ねえ?

 

 

 

出産について無理解な男たち

かたくなにトーラック出産を希望する安めぐみちゃんが緊急で病院に運ばれて、いよいよ出産となったときに、「そんなに痛かったら切っちゃえばいいのに」と言い放つ研修医くん。そして、緊急で運ばれてきたにもかかわらず、「出産終わる時間がわかっているなら屋形船・・・」と平気でのたまうぜんぜん心配しない夫。こいつら○ね!と思ったけど、そのあとすぐに現場を見て理解してくれたからよかった。

 

ひたすら出産方法にこだわり続けながら苦しんでいるお母さんを見た娘が「ママ頑張っているよー」と半べそかいて、夫も「十分がんばったよ」と言ってくれたからこそ、サクラの帝王切開の提案を素直に受け入れた。つまり、お母さんはどんな産み方であっても、どんな育児であっても認められたかったんだよー。「よくがんばったね」という役割は夫なのよーーー!

 

 

医療現場の人手不足

トーラック(帝王切開後の自然分娩)という方法は、ペルソナのように設備が整った病院でないとできないうえに、お母さんの子宮破裂や赤ちゃんの後遺症を残すなどリスクも伴うこともある。出産方法はいろんな選択肢があるとはいえ、今の医療現場の状況では必要な技術のために人員を揃えることも厳しい。たとえ揃えられたとしても、それはみんな過重労働の犠牲の上になりたっているわけよ。だからいろんな意味で「リスクが高い」ともいえます。人手不足だから出産方法が制限されるのも苦しいけれど、こういった高度技術が行える病院は限られているし、大きい病院だからこそ過酷な労働を強いられてしまうのも現実なんですよね。

 

いつものようにカンファレンスで行われるサクラと四宮バトル。今回もどちらも正論だった。患者の意思に添うのもいいけど、現場は疲弊している状態のためもろ手を挙げて賛同できないスタッフ。出産は予定通りいくものでもなく、スケジュールがたてられるものでもない。深夜やスタッフが少ない時間帯になにかあったらそれだけでもリスクが高いのだ。


忙しくて余裕がないから妊婦の希望に添えないなんて、根本が間違っているのではないかとサクラ。たしかに正論だけど、それは現場にとって首を絞めることになるんだよね。現場を維持していくことも大事なこと。本当に難しい選択。患者の意思と現場の意思。どちらも選択できる世の中になったらいいのに。

 

このドラマは過重労働の連鎖を丁寧に、そして切なく描いている。今橋センター長は人手不足を補うべく他の病院へ赴きヘルプを依頼するも、どこも人手不足は同じ。今橋センター長が不在になると、その穴を埋めるべく白川や他の先生もなかなか家に帰ることができず連続勤務が続く。もちろん今橋センター長も家に帰ることができず、やむなく家族に帰れないメールを打つ。NICUは特に赤ちゃんの命に係わる場所なだけに、人手不足を理由に穴をあけることはできないのだ。

エンディングで今橋センター長が家に帰って遅くなった娘への誕生日プレゼントを渡したシーン、娘が父親と微妙な溝ができたことを表していたのが切ない!切なすぎる!

 
大森南朋さんがこういう人間関係瀬戸際ギリギリな演技がうまくてステキだからって、お願いだから離婚とかになりませんように。この前『BORDER』で死んだばっかりなんだから!


産科ではめまぐるしく動くスタッフたちのなかで、研修医くんは時間になったら帰ってしまう場面。今の時代、残業しろとは言えないだろう~という他の病院の先生のセリフがあったけど、医療現場だけが特殊だからというわけにもいかないもんね。
まあ、残業しないで帰れるのも研修医のときだけだと思うし、研修が終わったらそうも言っていられない状況がやってくるのでしょうけど。


そういえば、このまえ『ドクターX』でも研修医がみんな残業しないで帰るシーンあったなぁ。そこは今どきの研修医事情は共通認識なのね。

 

 

 

白川の成長

心理描写うまいなぁと思ったシーン。白川は異常が起こった赤ちゃんの親に連絡するも旅行に行っていて捕まらない事実に呆れてしまう。「こんなときに親が遊んでいるなんて」という思いと「こっちも休んでないのに」という思いの両方あったんだろう。


またしても今橋センター長がうまくなだめるのよ。「僕たちはそれでもご両親の気持ちを理解してあげないといけないのかもしれない。僕たちが一生育てるわけじゃないからね」

たしかに、退院したら育てるのは親だもの。だったら一瞬楽しんだとしてもその先にずっと続く現実を考えたら、咎めることはできないのだから。

 

でも思うところがあった白川が意を決して親に伝えるところがカッコよかったの。「ここは託児所じゃありません。これからは家族で楽しむことを考えてください。次に旅行に行くときは一博くんも一緒だといいですね」って白川くんよ大人な発言じゃん。研修医のときは感情に任せていいたいこと言ってたのにねぇ。成長した~。

 

 

どう思って産もうとしたかが大事

サクラの名言「どう産んだかよりも、どう思って産もうとしたか その思いは赤ちゃんに伝わっています」、これは世のおかあさんたちに響いたことでしょう。出産はひとりひとり違う。それでもいろんな情報に翻弄されてつい自分を責めてしまうもの。一人でも多くの妊婦さんが産み方よりも産むときの思いを大事にして、無用に苦しまないでほしいと切に願った4話でした。

 

実際に調べてみると、「自然分娩のほうが愛情が強い」的な根性論は根強くあるようですが、帝王切開も自然分娩も両方経験したお母さんにしてみれば、愛情になんら変わりはないといいます。私個人は出産経験がありませんので何も言えませんが、ひとつだけ言えるのは、どっちも経験していない人は偉そうに語るべきじゃないということ。未経験者や夫の立場の方々は、わからないからこそ理解しようと寄り添うこと。これに尽きると思いました。


来週は、原作でも泣けるシーンの1、2を争うくらいの話らしいので、またハンカチ用意しなきゃ!