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【グッドワイフ】1話感想:苦しみはなくならないけど日常を大事に生きれば強くなれる

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Rawpixel Ltd | Flickr

 


2019年冬クールのドラマもスタートし始めましたね~。それにしてもリーガルもの、警察ものの多いこと多いこと! 勧善懲悪が手堅く数字が取れて喜ばれるんだろうけど、やっぱり仕上がりの善し悪しで決まるよねというのが『グッドワイフ』を見終わった印象でした。

 

最近のリーガルものといえば、フジテレビで前クール放送の織田裕二主演『SUIT』、今期クールの竹内結子主演『スキャンダル専門弁護士QUEEN』とあるけど、作品の完成度としては『グッドワイフ』が圧倒。映画並みのキャストだもの、やはり日曜夜9時はお金かかってますな。

なにげに演出が『アンナチュラル』っぽいなぁと思って調べてみたら、やはり『アンナチュラル』を手がけた塚原あゆ子氏! オープニングの弁護士バッヂが飛び散る音とか、光と影を巧みに使う演出は今回も素晴らしかった。演出を堪能する意味でも観る価値ありです。

 

正直、このドラマは予告の段階ではあまり期待していなかったし、しかもまーた海外ドラマリメイク弁護士、と頭っから否定していました。いかにも「主婦」「母」とか主張しちゃって、視聴者に媚びた気がしないでもない。

 

でも、脚本がWOWOWでおもしろいドラマを作ってた篠﨑絵里子氏だったしキャストも豪華なので、1回目はまずみようと思って期待せずみていたら、予想を反してすごくおもしろかったわ! ドラマの完成度は、つくづく脚本と演出とキャストのバランスだよなと思ったし、TBS日曜9時は毎回そこを外さない。最近のTBSドラマはいいドラマが増えてて好きだなぁ。

 

以下、多少ネタバレあります。観ていない方はご注意を!

 

 

常盤貴子の変化っぷりがよい

誰もが常盤貴子になれないまでも「もうちょっと私やれるかも!?」という勇気や幻想を抱かせてくれたのには違いない。常盤貴子の実年齢は46歳、役では44歳というところも絶妙すぎる。2歳差の役ならさほど見た目も変わらないしね。

 

冒頭のクルクル回るカメラワークが、すでにいろんなことが起きていることを暗示させ、疲れ切った表情の常盤貴子アップが印象的。つかみの絵としては最高。女優さんはメイクと演技でどうにでもなるのはあたりまえなんだろうけど、常盤貴子って、顔の作りが頬骨が高くて昭和顔な美人さんだと思うので、演技以上に元から持っている雰囲気で、もっさい主婦から超美人の落差を激しく出せる女優さんではないかと思います。

 

たった1話の中で、生活に疲れた専業主婦(といっても眉毛整っててメイクもばっちりだったけど)→リクルートスーツのちょっと社会になじめてない主婦感→年相応のおしゃれワンピースの弁護士、という変貌ぶりはお見事。

 

あと、これは天性のものだと思うんだけど、常盤貴子の独特の落ち着いて溜めのある話し方、声の質やトーンが妙に主婦役に合っているのよね。

 

 

日々を大事に過ごすことの意味

「クラウドってなに?」のセリフにネットで物議を醸していましたけど、ドラマ後半で訴えを起こした浜口さん(泉澤祐希くん辛い役柄続くなぁ。『アンナチュラル』とか『コウノドリ』思い出すわ)の部屋で語るシーンがその答えじゃないですかね。

以下、セリフを引用すると、

 

「まずはカーテンを開けませんか? ゴミを捨てて、洗濯をして、美味しいものを食べて、テレビもネットも見ないで、日常を大切にして過ごすんです」

「それで楽になるんですか?」

「いいえ。でも、強くなれます」

 

 

16年近くネットもテレビも消して社会に属さず過ごしてくれば、クラウドを知らないってこともあり得るし、現代でもスマホ持っていてもネットの概念に疎い人っていっぱいいるよ、と思ったのでここは別に不思議でもなんでもなかったけど、デジタルネイティブな方たちからしたら「こんな事も知らないの?」という感じになったのね。

 

専業主婦になるため、弁護士のキャリアを捨てて、病弱の子どもの育児に追われ、おそらく検事である夫は多忙で家にいなかっただろうし、ゴジラのテーマを着メロにするほどの姑はめんどくさそうだし。

 

そのなかでひとり葛藤しながら主婦として周りに流されずに積み重ねて過ごしてきたからこその説得力。このやりとりのセリフにそういう紆余曲折があった16年の主婦生活が見えるようだったわ。このセリフは1話の主題のようなものなんだろうなと思う。どこからあのセリフは生まれたのかと脚本の篠﨑さんに聞きたいものです。

 

だからといって、専業主婦はえらいとかすごいとかを押しつけるでもなく、会話の中でさらりと語ってしまう絶妙な演技。常盤貴子、すごい。この会話シーン、何回もリピートしちゃったわよ。私自身、専業主婦・兼業主婦いったりきたりだったし、つい、浜口側視点(苦悩している立場側ということ)にたってしまい、ぐさりとセリフが刺さる。

 

思い返せば、私なんてテレビとネットが大好きで、子どもがいなかったこともあって、よけい日常を大事にしてきてない気がする。ちゃらんぽらんな主婦生活だから、そういう意味では芯がなくてめちゃくちゃ弱いのは認めるわ。

 

そうか、テレビもネットも見ないで日常を大事にしていれば、あんなふうにきれいな奥さんになれたのか、いやいや、強くなれるのか?

 

もし自分が日々を丁寧に生きていたら?という想像を巡らせてみた。うーん、私の性格からしてまず無理だ。昔からエンタメが好きすぎて、そっちに時間を取りたいがために、どうやったらラクして家事ができるかしか考えてこなかったトンデモ妻だし、家事を丁寧にやろうという発想がそもそもないし! テレビやネットがない世界なんて考えられない・・・それでも想像してみる。

 

自分の想像の中からテレビとネットを排除して、山の中で生活していると仮定する。そういう環境に置かれたら、最初の1週間くらいは禁断症状も起きるかもしれないけど、だんだん諦めて今そこにいる環境でよりよく生きようと工夫したりするんだろうな、くらいは想像できた。確かに、テレビやネットは時間を奪うし、煩わされることで自分がどうしたいかを失うこともある。

 

ということは、杏子が日々を大事に積み重ねる過ごし方というのは、専業主婦という日々の生活を回していくルーチンワークともいえる行動を、外部から聞こえるテレビやネットという雑音を遮断することで、家事全般の行動を集中したり慈しんだり、ひとつひとつの生活を何年も積み重ねることで、自分なりに納得、確証、プライドを持てるようになるってことなのかなと。

 

家族からのストレスや我慢を強いられたり、辛いこと(ドラマでは子どもの体が弱かったことや夫の不貞)があってそれは決して楽にならないけれども、少しでも生活の中に大事なものが増えることで、つらさに押しつぶされない強さは持てるようになるということなんじゃないだろうか、という結論に達した・・・。当たり前の生活を慈しむことは、ひいては自分を大事にすることに繋がるってことなんだね。

 

これは、専業主婦だから強いとかそういうことじゃなくて、日々を大事にすることは、どんな人であれ、特にどん底だと思っている人ほど自分を取り戻す一歩になるのだよ、そういいたいんじゃないかなと思ったら、なんて優しいシーンなんだろうとジーンと心に染みいってしまった。


このシーンのおかげで、家事なんてめんどくさいものだという概念に縛られていたけど、生活=生きることを大事にする、そして、自分を気持ちよくするための日々の行動なのだという概念に書き換わりましたよ。

 

 

全体的にバランスがいいドラマだと思うよ

それにしても脚本と演出がいい。海外ドラマリメイクとはいうものの(まだ観てないので比較できないけども)、そういうのをとっぱらっても普通におもしろいし、知らないからこそ純粋に楽しめたところがあります。ヒロインが専業主婦から久しぶりの弁護士復帰を強調しすぎず、それでいてちゃんと他のキャラのバランスもよいので、視点が一人だけにいかずにほどよく分散できて楽しめるのよね。

 

主婦とか母とかおばちゃんを主張しすぎたものが、ナントカ湯けむり殺人事件的とか、○○おばさん刑事とか、いかにもな女性押しつけB級ドラマになりさがるところ。

 

他のニュース記事では、母とか主婦を強調して違和感があるとか書かれていましたが、常盤貴子の演技と他のキャストやエピソードのバランスがよかったので、そんなに強調されているとは私は感じませんでしたね。後半ではたしかに「手持ちのカード」を利用して、餌をまいて真相を探ったりはしていたけど、常盤貴子の演技が押しつけがましくなかったのがいい。やはり、うまい脚本と演出の力かな。

 

賀来千香子演ずる神山の「そのカード(専業主婦だったことと収賄容疑の検事の妻)で戦うしかない」というセリフ。劇中でもそのカードを使って解決に導くわけだけど、それを主婦弁護士の強調とはみえなくて、むしろ、誰でも「手持ちのカードで生きるしかない」という部分は大いに勇気づけられましたけどね。

 

キャストについては、パラリーガルの円香みちる (水原希子)もいいスパイスになっているし、最後の衝撃発言がまた意味深でいいわ~。ストーリーを引っかき回しそう。

 

同期であり経営者の多田征大 (小泉孝太郎)も今のところいい人そうにみえて「危ない橋を渡る」と周りから言われているあたり、実はゲスい男のようにも思える。

 

勝手な憶測だけど、他の弁護士事務所でさんざん断られた蓮見杏子を引き入れたのだって、同期とか好意ではなくて単に利用しただけじゃね?と思ったりする。小泉孝太郎のキャスティングからして、『下町ロケット』『ブラックペアン』のときみたいに裏切りとか寝返りとかありそうじゃん。最後の方で化けの皮が剥がれることを期待しちゃうわ。事務所の共同経営者・神山佳恵 (賀来千香子)もいい。本音をズケズケいうけれども本質を突いているし、声のトーンからしてリーダーとしての貫禄もある。『SUIT』のときの鈴木保奈美とは段違いよ。

 

1話ゲストの武田鉄矢、ナイスキャスティングでしたね。ああいうおっさんいるいる! やたら声だけデカくて、人に悪印象を与えるような強調した話し方。そして自分の非を認めない。鼻につくわ~~。主義主張ばかりするわりに都合のいいところは脇が甘いのよ。

 

そして、ドラマおじさん・博多華丸さんが『高嶺の花』に続きまーたドラマ出てる。最近出すぎ。しかも唐沢寿明の弁護士役というけっこうな役じゃないの。演技がちょっとアレなので浮きまくっているんですけど、最後まで出るのでしょうか?

 

 

勝手に結末予測してみた

夫の汚職疑惑と不貞行為というダブルショックを前に、すぐに離婚するでもなく答えがでない杏子。ストーリーが進んでいくうちになんらかの結論出るのかなと思うのだけど、杏子が最後にどんな結論を出すのか、私なりに予想してみました。

 

結末予想:
①最後の方では自立して、仕事を通していろんなしがらみや思い込みから解放されて、同時に夫の収賄容疑の問題も晴れるが、不貞問題が残っているのでこれからそのことについて話そう的なことで結論が出ずにエンド。
②華丸弁護士は途中降板させられ、杏子が夫の弁護にまわることになり、夫の収賄容疑が晴れる。不貞問題については別。離婚する。
③杏子の弁護士完全復帰、同時に夫の疑いは晴れるも失職。なんでかんで元サヤに戻り、主夫となる。

 

個人的には②の線を希望していますが、ベタな終わり方になる気がしないでもない。

 

朝ドラ『まれ』ではクズ夫を捨てられなかったし、けなげで貞淑な妻の役も多い常磐貴子なだけに、今回はばばーんと思い切って離婚する姿が見たいのよね。けど、ゴールデンタイムのドラマでそこまで描くかどうかよねぇ。結局最後は丸く収まるのがここ数回の日曜劇場だし、なんでかんで視聴者も「はぁ、よかった」と思いたいんだもんね。

 

だからって夫婦丸く収まったらつまんないと思うのよ。今どき、離婚は悪いことじゃないんだし、希望に繋がる離婚という形をドラマで表現してくれたら、今の時代に合っている気がするんだけどな。

 

誰もがすでに「仲良し家族」という概念は幻想だということに気付いているでしょ。女性が許して「はい、元通り」みたいな離婚回避はあんまりみたくないし現実的じゃない。杏子が葛藤して掘り下げて悩んだ末の答えをしっかり表現してほしいし、それを期待したいと切に願うのですがどうなるんでしょうね~。

 

ということで、私はこれから元ネタの『グッド・ワイフ』を観てみまーす。

 

 

 

元ネタ『グッド・ワイフ』はAmazonプライムで観られます。

 

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