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【ゲーム・オブ・スローンズ】シーズン8-5感想ネタバレ:ジョンとデナーリスのアイデンティティ

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Watch Game of Thrones Season 8 Episode 5 Online: 5 | HBO

 

GOTシーズン8-5、今までは都合が合わなくてリアルタイムには観られなかったのですが、今回初めて、日本時間午前10時の世界同時放送でリアルタイム視聴しました。

 

世界中の人が同時に観ているということだけでも興奮するし、ネットやオンデマンドがない頃の昭和のテレビみたいにワクワクしてしまった。

 

そして、約80分釘付け状態。終わったあとの放心状態が強すぎて呆然とした昼下がり。こんなに精神消耗するなんて・・・。日中でよかった。これ、夜観てたら眠れないよ。といっても、もう一回夜の放送観たけど! 実際に夜視聴組は眠れなかった人も多かったようですね。

 

本来ならば、順番的にS8-2の感想なはずなんだけど、あまりにもS8-5がすごすぎて、こっちを先に書きたくなってしまったので順不同としました。


ここから先はネタバレしまくりなので、観ていない人は絶対に読まないでS8-5を体験していただきたい。

とにかくすごいから!! 私も記憶を消してもう一回観たいわ。

 

 

 

 

ヴァリスが小指まがいのことを

S8-4でジョンの真実を知ったヴァリス。デナーリスの強権的な態度への不満や玉座に座るのは男性であることが望ましいと思っていることとが相まって、早々にデナーリスに見切りを付けたヴァリスが、小指同様、策士として動き出すんだけど、各地に手紙を書こうとしただけでなく、驚いたのは小鳥を使って毒を盛ってたこと。ひいいい! そして、一瞬ライサかと思うくらいのやせこけたメイク?ダイエット? あのやせこけて貧相なデナーリスの表情もすごかったわ。

 

ヴァリスったら、まるでS1-1のライサ使ってアリン王を殺した小指じゃん。自分の手を汚さずに殺すやつ。デナーリスが死ねば自動的にジョンが玉座ってことにしたいんだもんね。だけど、知ってか知らずかデナーリスは食事を摂らず。その策略も周りにバレてそうなかんじ。

 

デナーリスはあれだけ口止めしたはずのジョンに情報漏らされ、サンサ+アリア→ティリオン→ヴァリスと側近にまで許可なく伝わったことで誰も信じられず完全に闇落ち。そりゃあそうなるよね。

 

なんかねぇ、その気持ちわかる。愛している人よりも家族かよと。見ているこちら側もジョンが「スタークと思ったことない」とかいいながら家族取るのかよと思った。だって、デナーリスにはもう血縁の家族はいないんだよ! いたとしても目の前のジョンだよ。急に知ったことだけどれっきとした家族になるなんだよ。だから、ジョンにわかってほしかったのに。

 

あれだけ「言うな」って言ったのに「家族だから」という理由でサンサとアリアに話し、いろんなことを考えているサンサが黙っているわけもない。デナーリスがなんとなく感じたようにサンサに策略があったともいえる。そして、ティリオンに伝わり、あっさりヴァリスに話すとか、デナーリスが怒るのあたりまえよ。

 

元はと言えば、ジョンがバラしたことが原因で裁かれるべきはジョンなのに、そこは愛ゆえにジョンはおとがめなし。ティリオンが女王の肩を持つことを建前に責任を逃れ、ヴァリスを売り、結局ジョンへの見せしめためにヴァリスをドラカリス。デナーリスを取り巻く全員(あれ?ダヴォスは知らないか)が裏切ったことになるわけじゃん。闇落ちしたくもなるってーーーー。

 

 

 

デナーリス、当然の闇落ち


予想通りというか誰もが予想してたであろう闇落ちデナーリス。デナーリスが狂王化してしまったとヤンヤヤンヤいう人もいるけど、よくよく考えると焼けずの肉体と3頭のドラゴンという強力な兵器を手にした瞬間から強権的になるのは想像できたし、強い力を手にしてからはだんだん人の言うこと聞かなくなってきてたから、そうなるべくしてなったんだろうなと。

 

だからこそ、せめてジョラーが生きていれば・・・と悔やまれてならない(S8-4でジョラーの亡き殻をなめるように映したのは番組あげての心からの弔いと思ってもいい?)。あのくらい年齢差があったほうが、デナーリスをなだめ、説得させるにはちょうどいい。ドスラク嫁入りのときからなにかと南部の土地勘や経験、戦士としてもピンチを助けてきて本当に頼りになる人材だったもの。

 

ティリオンは頭はいいし言葉も巧みだけどジョラーほどの土地勘や言語を操れるわけでもないし、若さゆえの甘さがある。いかんせんあの風貌なのでデナーリスをかくまうほど戦えず、説得させられるほどの信用をまだ勝ち得ていない。それ以上に、だんだんティリオンも恐怖しかなくなってたし。

 

そして、何も知らない、何もできないジョンは「女王に従う」「愛している」しかいわないし、約束も破りまくり。1回でもデナーリスを守ったのかって話(守るも何もドラゴンがいたらその必要もないけど)。そんなへたれジョンでもデナーリスは愛したわけだし、一番近くで女性として愛されたかったと思うのよ。

 

だけどさ、愛しているならなんでもいうこと聞いてくれると思ったデナーリスもちょっと甘かったよね。たぶん、ドロゴとの結婚のときから、愛されたらなんでもいうこと聞いてもらえると体験から変に学んでしまった。それは、S8-2のサンサとの会話でも「男は惚れた女に弱い」的なガールズトークしてたことから垣間見える。そういう意味では、ジョンはちょろい男ではあったけど、加えてバカ正直だったことは予想外だったんだろう。

 

必死に事実を隠してほしいと懇願するのも、デナーリスの本音が見え隠れする。ジョンへの愛というよりも、北部での人望への嫉妬、王位継承権が自分ではなくなる=引き連れてきたアンサリードやドスラク人たちの手前、いきなりトップが変わることは信用を失うことでもあるということ。それ以上に、自分はターガリエン家唯一の生き残りだし、焼けずのデナーリスだし、ドラゴンの母だし、奴隷解放者だし諸々、きれいで正当な運命背負っているのよ!と思い込んでいる。

 

だから、ジョンに玉座を奪われたくはないし、奪われたら自分のアイデンティティが崩壊する。今までの苦労も水の泡だし、ドラゴンも兵隊もいなかったら、ただ「火に強い燃えない女」ってだけしかない。ドラゴンがいる恐怖だけで人がついてきていて、人望がないこともわかっているし、きづいているけど認めたくない。そうなると、頼れるものは完全に部下である兵隊たちとドラゴンしかないじゃない。誰も信用できないとなったら、自制心は壊れるわ。前から「グルグル回る歯車を壊したい」と言っていたしな。そこに、ミッサンディの最後の言葉が引き金になっちゃった気がする。

 

ドラマの展開的には、デナーリスはこうでなくちゃいけないとも思うからこれでいいけどさ。借りにジョラーもミッサンディも生きていて、助言を受けて素直になってまあるく収めましたなラストはGOT的にはきれいすぎるし、逆に奇妙。なので、闇落ち大歓迎なんだけど、最後はあまり悲しいかたちにしないでほしいのが切なる願い・・・。

 

 

ジョンが家族にバラした理由を考える

ジョンが家族に真実を話したのは正義感に駆られて話をしたのだろうか。そうではない気もする。今まで落とし子としてスターク家の中でも子ども同然に育ったとはいえ、ちょっと差別的な扱いを受けたり、もう疎外感しかなかったわけでしょ。劣等感が蓄積するのは当然で、とてもスタークだなんて思えなかった。そこへどうよ、真実はスターク+ターガリエンよ。純正スタークだけというよりもなんか格上な気がしない? 

 

事実、スタークであることがわかっただけでも血統的に本当の家族だし喜ばしいことだけど、そこにターガリエンも混ざってたとなったら、ずっと不利な立場が一発逆転したみたいな気分になるじゃないの。最後のクイズがサービス問題でいきなり点数上がって逆転したみたいな(違うか)。

 

内心、ジョンも小躍りして「やり~♪ 俺ってスゲエ!」くらい思ったんじゃないの? 今までさんざん卑屈になってきたわけだし、カーセルブラックにいたときだって、自分がスチュアードに指名されて「俺の方が強いのに!」みたいに憤慨していたことからして、認められたい欲求が実は強いジョン。根暗に見えるけど本当はそういうとこある男だよ。

 

そりゃあ、こんなすんごい事実、誰かに言わずにおれないでしょうよ。こんなすごいネタ、黙っていろというのに無理がある。なんなら、声を大にして壁の上から叫びたいはずよ。「俺は正真正銘のスタークだし、ターガリエン! しかも王位継承権第1位だもんね~~~!」と。

 

さすがにそこまではできないから、正義とか正直さとかを建前にして自己満足のために家族に話すことにしたっていうのがジョンの本音じゃないかなと思ったわ。デナーリスを愛するよりも、デナーリス同様、自分のアイデンティティを確立させたかったのではと。

 

ということは、デナーリスとジョン、お互いに「愛」という言葉を利用して強引に物事を動かそうとしたし、自分の立場をぶつけ合っていたということになる。デナーリスは真実を黙らせることで、ジョンは真実をいうことでどちらも自己のアイデンティティを保ちたかった、という考察に着地。

 

あとさ、ジョンは戦いに挑んでも、途中でサイレントスローモードに入って途方に暮れることがたびたびあるんだよね。落とし子の戦いやゾンビ捕まえにいったときの戦い、ナイトキングの戦い、王都でもそう。確かに剣の腕前は強いかもだけど、戦意が長続きしないというのは争いを好まないことを示唆したいから? 今のところ、その真意が読み取れません。

 

 

兄弟対立、姉弟愛の深さに思うこと

もうここは、クレガークレゲイン兄弟とラニスター姉弟の業の深さを語りたい。まずは、ジェイミーとティリオンの関係。

 

ウィンターフェルから王都にやってきたジェイミーがアンサリードに捕まり、またしても捕虜になるんだけど、そこでのティリオンとの会話が泣けた。いくらラニスター家下とはいえ、あの容姿・風貌から実の父親や姉から憎まれ、周囲からも化け物扱い。シーズン通して観てきてもティリオンの扱いはひどかったしね。

 

だからこそ、あのティリオンのセリフから、どれだけ彼がジェイミーのおかげで救われてきたか、そして自分も今まさに命が危ないかがにじみ出ているわけよ。かつてティリオンがジョフリー殺しの容疑で捕まっていたとき、ジェイミーに助けられた借りを今回返したことになって、まさに「ラニスターは借りを返す」じゃんか。(思い返せば、シリーズ通して、ジェイミーもティリオンもやたら捕虜になる人たちだったね)

 

グッときたのは、ティリオンがジェイミーにとにかく生き延びてほしくて、サーセイと逃げて人生やり直せ的なことを必死で伝えて、ダヴォスにも船の段取りつけていたところ。この兄弟をみていると、どんなに立場が敵対したり愚かなことをしても、それをもってして愛しているということ。サーセイは嫌いだけど、大好きなジェイミーの好きな人ならそれを助けたいってことなんだよ。なーーんて優しいいいやつなんだろう。そういうのがときどき「愚かなこと」として裏目に出るのが悲しいんだけどね。

 

対サーセイでも言えることで、ジェイミーはずーっとサーセイと姉弟以上に愛し合ってきた。途中、ブライエニーとの出会いにより、騎士としての誠実さや誇りのようなものを取り戻し、いったんはサーセイを見限ってまっとうに生きようとも思った。でも、王都での戦況を聞いたジェイミーはサーセイを止める(というか共に死ぬ気だった)つもり?で王都へ出発。ティリオンによって捕虜から脱出し、サーセイの元へ行くんだけどもう逃げ場はなく、死しかない(たぶん死んだよね?)。

 

そこで、まるでS8-1のときと同じセリフで抱擁しながらサーセイをなだめるんだけど、このときのジェイミーの気持ちはどんなだったのだろうと想像する。一度はサーセイを見限ったけどやっぱり愛してる、なんだろうか。それとも、ブライエニーと寝てみて気付いたってことなんだろうか? ウィンターフェルでブライエニーに泣いてすがられがら旅立つとき、自分は善人ではないと言い放った。しつこいほど「サーセイのために」を繰り返したセリフ。そのとき、サーセイから離れようとしたけれど離れられないと「悟ってしまった」のか。それとも、単に遠く離れている家族が苦境に立たされているから助けたい一心なのか。

 

善人としての側面のジェイミーは、確かにブライエニーを女性として求めたことは嘘じゃないと思う。なんたって、今までサーセイ一筋で娼婦も買わないんだから。初めて素人を相手にしたってことじゃない? だからあの中学生みたいな「ここは暑いな」シーンなんだってば。

 

ジェイミーはブライエニーによって、騎士として誇りを取り戻し、人として「まとも」になった気がしたんだろうと思う。ブライエニーのまっすぐで気高く穢れのない様は、ある種の憧れでもあっただろうし、一緒にいることで自分の犯した悪事が浄化される気にさえなったと思う。もしかしたら、このまま北部で人生やり直してみるのも悪くないと思ったかもしれない。

 

でも、それ以上に、自分の過去やサーセイとの濃密すぎる関係性は、ブライエニーの穢れのなさをもってしてもそう簡単に凌駕できなかった。それはブライエニーとの関係が近くなればなるほど、己の薄汚れ感が際立って見えてしまったのかもしれない。だから、自分はブライエニーのようにはなれず、サーセイと同胞であり離れられないと賢者タイム中にうっすら気付き、王都の戦況を聞いたときにそれが決定的になってしまったんだね。薄汚れた自分こそがサーセイを止められると。

 

ジェイミーとブライエニーがああいうことになった描写って、必要あったかどうか疑問に思ったし、S8-2で騎士任命あたりで男女の友情展開で終わってほしかった気もしたのよ。でも、今思うと、ジェイミーの業の深さを描くために必要だったんだとわかる。

 

ほらほら、GOTっていい感じに終わるわけないし、展開を裏切るのが常なんだもん。ブライエニーを傷つけたというか、ヤリ逃げした感じになったのは、ブライエニー推し陣営には大不評だったけど、GOT展開的にはアリなのよ。おかげで、ジェイミーの業の深さというか、ラニスターという洗脳の強力さが際立ったとはいえないですかね?

 

とはいえ、ここらへんはジェイミーの業の深さでまとめてしまうには、あまりにも展開が早すぎて、やっぱり全エピソード10話は用意してもらって丁寧に描写してほしかったところでもありますね。


ラニスター姉弟たちをみていると、究極の家族愛というか、ラニスターの洗脳としかいいようがない。だけど、サーセイという強力な存在に忠実な犬のごとく人生ゆだねてきたジェイミーは、もはやパブロフの犬状態だったんじゃないかなと思う。愛というよりやっぱり洗脳に近い。

 

長い間サーセイ・ラニスターという洗脳をうけたようなもんだし、ラニスター姉弟はみんな一途すぎるほど異常に対象を愛するところがあるでしょ。サーセイはジョフリーみたいな手の付けられない暴君であっても子どもなら丸ごと愛するし、ジェイミーもそれこそ暴君のようなサーセイを愛する。ティリオンも愛すると言わないまでも根っこは同じだと思うし、父親タイウィンの冷徹で厳しく強権的なところが受け入れられずとも、この人に認められたら超絶うれしいという状態を生んでいた気がする。犬のしつけと一緒。


ティリオン対サーセイにしてもそうで、互いに憎しみ合っているのに殺せない。殺そうと思えばいつだって殺せるのに、なぜかギリギリ踏みとどまっているのは、どこか屈折しても「ラニスター」だからなんだろうね。父親のタイウィンがティリオンに対して「生かしておいたのはラニスターだからだ」と言ったのと同じ理由。そのくらい、ラニスター家の家族愛は屈折的した究極の「愛」という名の呪縛と洗脳だよなーと思うと、ドラマとはいえ恐ろしくもあり、現代の家族の呪縛に通ずるものがあると思ったわ。

 

そして、クレガークレゲイン兄弟にしても同じ。憎しみによって生きてきた2人。憎しみとは、本当はその対極にある「慈しみ」から拗れたってことだし、裏を返せば、本当は慈しみあいたい、仲良くなりたい裏返しなんじゃないかと思う。懲らしめて土下座させたい、謝らせたいのが恨みの本質な気がするし、嫌な思いをしたことをわからせ、認めさせたい。それほどまでに兄を想っていたってことだしさ。マウンテンにしても、極悪非道な人格かもしれないけど、サーセイの命令に初めて逆らうくらい、少なからず弟への情はあったってことだよね。マウンテンなりのハウンドへの情。最後の方はなんか兄弟げんかを楽しんでいる風にも見えて、何年かごしのケンカの続きをしているかのようだった。(サーセイがその横をそそくさと逃げていく様子がおもしろかった)

 

そしてさ、マウンテン、死なない死なない。どこ刺しても、剣が胴体貫通しても死なない。ああ、これはハウンドの目が"オベリン"される~! もはやこれまでかと思ったら2人で落ちていくなんて。クレガークレゲイン兄弟をこじらせ、運命を動かしてきた「火」の中へ落ちていく最後はなんという因縁。

 

ああもう、8-5だけでまだまだ書きたいことあるけど、今日はここまででおしまい。