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【BORDER 贖罪】感想:小栗旬と大森南朋の怪演対決!最後はそうなるのか~

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Jeroen Wolfers | Flickr

 

 

もう、イヤ~な方の先入観がスゴ過ぎて、録画はしていたもののすぐに観れませんでした。いまひとつ観る気が起きなかった理由が、

続き物大好きテレ朝でまーた警察もの~
1話で離脱したドラマ『奥様は、取扱い注意』の金城一紀だし~
なーんか予告もなにも真っ暗で内容も暗そう~
出演者が名バイプレーヤー揃えていやらしいし~
遠藤憲一と古田新太ドラマ出過ぎ!~
主演小栗旬ってだけでもう苦手~
シリーズもののスペシャルだとついていけないかも~
てか前のシリーズぜんぜん観てないし~

・・・楽しみでワクワクして観ようという要素がみあたらず、しいていうなら大森南朋さん冒頭にでてくるみたいだから、そこをみておもしろそうだったら観よう程度の気持ちだったんです。

そしたら、これがまた大当たりだったんですよ!

www.tv-asahi.co.jp

 

 

 

 

脚本:金城一紀

直近ではフジテレビのドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』や、現在放送中の日テレ『奥様は、取扱い注意』、10年前にはV6岡田准一主演『SP』シリーズを手がけた脚本家さんで、警察・アクションもの作品で定評があります。全作品みてはいまぜんが、個人的には『SP』シリーズが好きでハマってました~~。

 

 

身辺警護をするSPの岡田くんが、あることがきっかけで脳内バランスを崩し特殊能力を得るとともに驚異的な身体能力と相まって、逮捕する必要がないSPなのに能力が働いてしまうので対象者を捕まえてしまうんです。で、本人も能力ゆえにどんどん苦悩していき、同時に岡田くんをとりまく背景がまさかの急展開をしていくという、今回観た『BORDER』もプロットがよく似ているなぁと。

 

『SP』のときもドラマシリーズの最後でえええ?と疑問を残す終わり方+スペシャル+劇場版でまさかの結末で完結するという、もともと重厚にストーリーが練り上げられる脚本家さんのようで。『BORDER』もメディアミックスしたり、ドラマ最終話がえええ?で終わるところなどは、こりゃたった三ヶ月のシリーズじゃあ描ききれないくらい分厚くて骨太なストーリーということなんですよね。だから途中からでも観ごたえがある物語になっている。映像も、いつもの「テレ朝刑事もの」な感じではなく凝った作りになっていて、効果的な照明や音楽が大河ドラマというか映画並みの重厚感を醸し出し、民放のドラマで久々にこういうの観たという感じ。

 

主題歌は大好きなMAN WITH A MISSIONだし、劇中音楽は『機動警察パトレイバー』の川井憲次さんじゃあありませんか! どうりでストーリーを邪魔せず、かつ躍動感ある曲だったのねぇ!

 

正直言うと『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』は主演小栗旬が好きじゃないという理由で観ていなかったし、『奥様は、取扱い注意』に至っては、ああ、この脚本の方、男性を中心とした世界描写はすごいけど、女性を主体にするととたんにメタメタになるんだーと1話で脱落。超ガッカリしたんですよ。

 

なので、期待値マイナスでしかもテレビシリーズ未視聴の状態から観た今回の『BORDER』スペシャルがこんなに面白いとは正直驚き。テレビシリーズを観ていなかったことを悔やんでしまった。

 

 

 

まず小栗旬に謝りたい

なんという演技力だろうと驚きました。うしても昔のチャラい若手俳優イメージが抜けていなくて、『踊る大捜査線』の鳥飼役くらいから、あれ?演技派になってきた?と思っていたものの、実写映画『ルパン三世』観てガッカリし、その後もアニメ実写系映画も多く、どうしても彼が出るものはアイドル映画にしか見えず避けていました。

 

がしかし、今回はやられた。この『BORDER』シリーズは観たことない上にいきなりスペシャルから視聴。冒頭いきなりくたびれた小栗旬が出てきたとき、3年前のドラマ最終話の続きから始まることは予告とドラマ導入部でわかってはいたものの、そうとうこの役が追い込まれた精神状態だったということが、今回のスペシャルの冒頭シーンだけで理解できた。よくここまで感情つなげたなーって。

 

前作から3年のブランクは大きいし、30代前半での3年でギリギリよかったともいえる。なぜなら、体型や顔のツヤが変わるから。もともと童顔で体型をキープできればあまり年齢を感じさせないとはいえ、35歳過ぎていくともう男の顔が立派に出来上がってくので、そうなると、続きモノのドラマや映画で違和感でたりする。それを3年前のシリーズで培った役柄の重さと苦悩をしっかり背負って見事に演じていました。シリーズ観ていない私が、その主人公の抱える苦悩をみてきたかのような「錯覚」に陥ることができたわけです。最初から最後までまとわりつく大森南朋さんの怪演にも負けず、ずっと渡り合っていたのもすごかった。

 

過去作はどちらかというと小栗旬人気にあやかったチャラい作品も多かった中で、腐らずに積み重ねてきたんだなぁと感心してしまった。こんなに呆然と死んだような目の演技ができる俳優さんになったんだ~。ちょっと『BORDER』過去作みたくなってきたわー。

 

 

あと、個人的にオススメしたい小栗旬の演技では、『コウノドリ』シーズン1での切ないシングルファザー役、こーれは必見です。私生活でも子供を持ったあとの出演ということもあって、パパ役がリアリティにあふれています。

 

 

 

名バイプレーヤー陣もすごすぎる

最近のバイプレーヤーさんたちの活躍は主役を食う勢いの人たちばっかり。キャストはすごいのに生かしきれないドラマも多い中で、前回から続くキャストとはいえ、みなこの3年でさらに有名バイプレーヤーになっていますよね。


波留はシリーズ後に朝ドラ主役級になったし、大森南朋、青木崇高、古田新太、滝藤賢一、遠藤憲一、野間口徹、浜野謙太、國村隼、満島真之介とそうそうたるメンバー。共演がみたい人ばっか。しかもバランスがいい。特に大森南朋、古田新太、滝藤賢一の悪役のさじ加減がすごすぎて、他の作品でこの三人のいろんなパターンの悪役とかゲスな役を観たけれど、同じものがない!(当たり前か) さすがだわぁ。

 

大好きだわ~。大森南朋さん♪

 

さりげなくみつけた國村隼の部下役の男性、ドラマ『オトナ高校』の白鳥課長(髙橋洋)発見。

 

 

 

正義と悪、闇と光(ちょっとネタバレ)

安藤(大森南朋)は、石川(小栗旬)の手によって死んでしまうんだけど、死者がみえる小栗旬の目には見えるし話もできる状態にあり、要所要所で現れては石川に「正義のために殺すのと悪のために殺すのはどんな違いがあるか知りたい」とゆさぶりをかけてくるんですよ。劇中では、石川の脳の異常事態によって死者がみえることになっているけど、正義を成し遂げるために、どんどん正義を超えて行き過ぎてしまう本人の無意識化の思いが死者の形として現れたんだろうと個人的には解釈。だから、安藤がずっと付きまとって現れ続けるのは、石川の正義とは真逆の存在「悪」も同時に存在しているということなのかと。

 

中盤に起こる事件も、死者の訴えから裏の人間を使って解決に導くのだけれど、それはもはや通常の捜査を逸脱した行為、まさにボーダーを超えてしまっていた・・・

 

正義とは、悪があっての正義。表裏一体。正義を追い求めれば追い求めるほど、悪の力が必要になっていき利用する。それは悪も同じ。石川の協力者で裏家業を営む彼らも同じ。悪にまみれながら光がみたくなる。そんなときに「正義役」である石川の存在が救いになる。

 

最終的に石川が贖いきれない罪や正義について、彼なりの落としどころをみつけていくまでの心の変化が全編通して秀逸でしたね。そして、そんな石川と対峙する警視庁監察管理官・久高(國村隼)の微妙な心理状態を表す表情がまたいい! ドラマの最後で決断を下す石川と久高とのシーンもうわー!と言いたくなるくらい圧巻の演技だったし、いちばん最後の石川と安藤のやり取りも、セリフ一字一句、字幕で繰り返し確認しながら観たわー。ここで腹を決めた石川、何年か後でいいから続編みたいなぁ~。

 

ぜひ、シリーズ観ている人も観ていない人も、私のようにアンチ小栗旬だった人もこれは観ていただきたい! 正義と悪とはなにか感じてみてください。オススメ!