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【ブラックペアン】1話感想:二宮和也のクズでゲスでヤバイ目つきは天下一品だった

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atacamaki | Flickr

 

 

このドラマ、本放送後の評価が賛否はっきりわかれていて、どちらかというと批判的な意見を事前に多い気がしました。なにが批判的かというと、たぶん原作を知っている人たちによくありがちな「イメージと違う」系の意見、ダークなイメージはニノではだめだとか、身長足りないとか、ダークヒーローに対する確固たるイメージ(身長が高くてシュッとしたイケメンでもっと迫力のある声とか)があるんでしょう。あと、リアルで医療現場にいるであろう人や医療ドラマファンの重箱の隅をつつくようなヤツとか。


へーそうなんだーと思いながら私個人としてはまったく期待せず、いつもの日9にありがちなドアップだらけなのかなー程度の気持ちで録画した「ブラックペアン」を見始めました。

 

 

以下、ネタバレご注意ください!

 

<目次> 

 

 

二宮くんの起用は是か非か

実際にみてみたら、まー手術シーンで血がほとばしる臓器がやたら出てくる出てくる! 食後でよかったわーというくらいちょっとグロい。それは仕方ないとして、キャスティングがほぼほぼ「下町ロケット」と「陸王」で見かけた脇役さんたち。日9ドラマに出ておけば、今後も出演特需があるってことですね。でもさすがに力を入れている日9だけのことはあり、重要な役から端っこの役までキャストのバランスがとてもよいと感じました。(唯一アヤパンはいらないと思ったけど)

 

正直、二宮くん器用によって、予告や宣材を見る限りでは、悪役を演じるにしては二宮くんの元々持っている素材が物足りないのではないかと思ったのも確か。竹内涼真と並んでも華奢で違和感あったし(二人は10歳も違うのに二宮くんが童顔すぎて年の差を感じない)、誰と対立するにも負けそうに見える。たぶん、いろんな人がそう思ったんじゃないかしら。

 

あけてみれば、私が原作を知らない分、特に決まったイメージもなかったおかげで、二宮くんそのものが渡海という役柄でいいと思ったし、あのだるくて性格悪そうな演技があまりにも自然すぎて(もしかしてあれは地なのかもね)前評判のギャップを超えたのではと、少なくとも私は感じました。

 

かつて蜷川幸雄作品で鍛えられただけあって、やっぱり二宮くんうまいと思う。そりゃあ手術室に入ってくるとき、子供が入ってきたかのようなサイズ感はあったけど、悪態ついて脅したり、危険な状態の手術ギリギリまで放置しておいて、瀬戸際で患者を助けるスリリングさ、狂気に満ちた目つき、佐伯教授とのあいだに訳ありなことを抱えているであろう絶妙な温度感、佐伯教授と父親とのワケあり関係性などなど、演技一つでその先の情景をもかき立てさせてくれる。さらには1話で原作を知らない私にそこまでわからせてくれた演出。おもしろい。いつのまにか引き込まれるように画面に見入ってしまった。こういう狂気に満ちた二宮くんみたかったのよ。嵐の活動はどうでもいいけれど、二宮くんの役者としての活動はこれからも注目していたいと思えます。

なので、私的には二宮くんの起用は「是」とでました。

 

 

キャラあれこれ

二宮くんについては、やれジャニーズねじ込みだとか、身長がー童顔がー迫力がーとか意見もおありでしょうが、いやいやどうして。あのゲスくてヤバイ目つきだけで、もろもろ聞こえてきた悪評を消し去ったでしょう。映画「青い炎」で激しい怒りと憎しみに燃える少年役をみごとに演じていた頃を思い出すな。


欲を言えば30代のおっさんらしく筋肉か脂肪をつけてほしかった気もしますが、アイドル稼業と平行しているとそうもいかないよね。治験コーディネーターとの会食シーンでのジャケット姿が、しっかりおっさんになっていたので心配することはなさそう。小柄でも名優マイケル・J・フォックスとかダスティンホフマン(はいいすぎか)みたいになれるかもよ。もっと場数を踏んで役者としてキャリアを積んでほしいわ~。


竹内涼真くん、確実に成長していておねーさんうれしい。「下町ロケット」で泣きの演技を見せつけてくれて、今回さらに笑顔で涙を流したり、迫真に迫った土下座シーンまでやってのけた。精神的にしんどそうだけど、来週の2話予告でまた泣いていたので、すっかり泣き上手俳優として名声をあげつつあるということなのね。

 

欲のためなら手段を選ばない役柄ナンバーワン・小泉孝太郎もその点では期待を裏切らない。設定からして「下町ロケット」のデジャヴかと思ったしさ。いつものように、裏でこちょこちょ動いて悪さして最後に負ける展開、がんばってください。

 

 

闇の深そうな渡海

腕はいいけれど腹黒な渡海と、研修医で腕はなく情にもろい世良の対比がわかりやすい。もしかしたら渡海自身がかつての世良のような立場で、佐伯教授の駒のふりをしつつ弱みを握っているのではと推測。じゃなかったら、あんなふうに自由にさせてもらえないでしょ。てことは、最後は渡海vs佐伯教授でのどんでん返しがきそうな予感。あと、渡海が病院に住み込むあたりが、闇を抱えた「アンナチュラル」中堂系みたいでいい! プライベートなどいらないほど、追いかけたいものがあるってことでしょ。訳ありのレントゲン写真がその鍵なんだろうね。ああ〜〜原作読みたくなってきた。

 

 

優しいけれど技術ないvsゲスいけれど腕がいい

ドラマ全体と通して、医者という仕事の過酷さと名声、権威とは何か、手術の失敗は自分の存在を揺るがしかねないくらいのプレッシャーであり、手術の成功と論文そこが自分の評価なのだということを克明に描写している。医者が医者たらしめるためには、失敗してはいけない。渡海は失敗しない分、お金によって他人の失敗しそうな手術を尻ぬぐいしてやっている最後の砦であり「汚れ役」なのだ。そのおかげで表向きには医療事故も防げるし、失敗しかけた医者の立場も病院の信用も(お金を払えば)守れる。最高だ。医療事故は自分の立場をおびやかすもの。それをお金で解決できるのならこれほど安いものはない。医療事故で訴訟になったら1000万では済まないだろうし。

 

きれい事だけでは医療の進歩はないとも言えるよね。世良のようにきれいな正義感など過酷な現場ではどうでもいいし、ただ陳腐で「邪魔」なだけ。患者に寄りそいたいと思う世良の姿は、患者の立場からしたらありがたいしうれしいけれど、技術が伴わないことで患者を助けられなければ、それは無用の長物。術後にすっぴん山村紅葉が急変したときに、すぐに対応できなかった世良の慌てぶりがそれを象徴していたかな。優しいけれど技術ないvsゲスいけれど腕がいい、どっちがいいかったら腕がいい方を選んじゃいたくなるけど、患者に生きる希望をもたせる感情的な技量も捨てがたい。弱っているときほど気持ちに寄り添ってもらう方が力になることもあるしね。世良と渡海をバランスよく演出しているところがにくいな。

 

患者数の多い大病院ほど技術を上げることがもっとも最優先されるべきことなのでしょう。人を救いたい欲求は医療人ならだれもが思うところだけれど、欲望をかなえるにはお金もかかる。清廉潔白な医者なんて存在しないのでは?と画面をみながら諦めと同情が混じった感情が思わずわいてきてしまいました。

 

劇中で、手術を映像で映して手順を指示したり、カルテ情報をタブレットで持ち歩き、指示を出すのに検索したりする場面がありましたが、結局は二次元的にしかみられないという側面もあり、見落としや角度によって見えないといった弊害も起きている。さらに新しい医療器具についてはリスクも高い。それでも(対立する教授を陥れるために)新しい技術を提唱していきたい高階と経験値によって確実なスキルを高めている渡海との技術対決も緊迫感があってよかったですね。


担当医師は世良かもしれないけど、手術は高階担当だったんだから、お金は折半させてとるべきじゃないの?と思ったわー。ま、世良が渡海と接近することによって、きれいごと世良からだんだんにダーク世良へと豹変していったら面白いんだけどな。

 

 

医療ものドラマといえば、派閥争いか孤高の医者か、いろんな病気をみるかになるものだけど、それらがぜーんぶ網羅されていて、「白い巨塔」「ドクターX」「チーム・バチスタの栄光」「コウノドリ」もろもろごった煮したドラマってことで十分楽しめるし、最後の着地点がどうなるのかは今から楽しみにしたいところです。

リアタイはしないけど、久しぶりに日9ドラマ続けてみたくなりました。


最後に、このドラマに出ていた外科医役の内村遙さん(陸王でこはぜ屋従業員だった人)、「コンフィデンスマンJP」3話のオチに出ていて大笑い! いろいろ出演おつかれさまです!