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【ハケン占い師アタル】9話最終回感想:誠実に目の前の仕事に取り組むことも才能

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木曜ドラマ『ハケン占い師アタル』|テレビ朝日

 

いやあ~、なんだか丸く収まっちゃったな~というのが率直な感想。

以下、ネタバレが含まれますのでご注意を!

 



ドラマタイトルの『ハケン占い師アタル』っていうのは、母親に搾取され続ける占い師という仕事に嫌気がさし、その能力を封印して一般社会に溶け込もうするも、やはり人から求められて占いをするうちに、自分の才能を活かそうと腑に落ちて、最後はハケン占い師として自立するまでのお話ってことだったオチ。

 

遊川さん脚本の好きなところは、一見丸く収まっているように見えて、現実で起こる出来事はそう簡単に変わるわけもなく、トラブルが続いたりまた悩みが出てくるところをちゃんと描くところがリアルでいいのよ。

 

シンシアベイツDチーム全員が、それぞれアタルちゃんに占ってもらったことで、少しだけ流れがいいほうに変わってくるんだけど、一歩進んだ先でもまた新たな悩みが出てくるわけよね。もうアタルちゃんの占いに頼らないと決めて、自分で進んでいこうとするんだけど、それぞれ占いに頼りたくなるなるような決断を迫られる悩みに見舞われるわけ。

 

別にさ、友だちに「相談」する体だったら話くらいしてもいいとおもうけど、アタルちゃん相手だと相談=占いになっちゃうんだもんね。だから、何も言えず1人で抱えてしまう。

 

アタルちゃんは聞かれなくてもお見通しなんだけど、そこは本人の気持ち尊重。ここらへんの誰にも相談できない描写がね、わりとありがちだよなーと思ったの。人って悩みが深刻になればなるほど何も言えなくなるもんなのよ。

 

モヤモヤした気持ちを抱えたまま、CSRイベントを進めていくんだけど、クライアントが勝手にいろいろ提案しては丸投げという、こういうの、会社レベル個人レベルでいるいる!ってなったわね。しかも、勝手によけいな段取りしてくれちゃって、どんどん事が拗れていく。

 

イベントはスタートするも当日になってトラブル続出し、奔走するDチームたち。ここの描写が、人間の身勝手さをこれでもかとぶつけてくるのよ。被災地をダシにする企業、不倫騒動でドタキャンになった歌手、呼ばれてもいないのに歌手目当てで勝手に会場に来る一般人、文句ばかりの来場者・・・。こういう人間のゲスなところをしっかり描くのが遊川さん脚本の真骨頂よ。現実って間違いなくこういうことの連続だもの。きれいごとばかりじゃない。

 

代々木部長ことミッチーが「こう見えても私、歌とダンスには自信がありまして」と言い出したとき、そのまま華麗に歌ってくれたらいいのに~ミッチー。

 

トラブルによりどんどん段取りが悪くなっていく状況で、子どもたちが置き去りになってしまうんだけど、そのときアタルちゃんは、子どもたちの心の声を聞いちゃったのよねぇ。そしたら黙ってられないでしょうが。そのことで、子どもたちが自発的に行動を起こし、イベントは逆に感動的に終了。

 

この出来事が、アタルちゃん自身の能力の封印を解くきっかけとなるわけだ。占い以外のことで自立したかったけれど、危機的状況で自分に出来ることは「占い」という特殊能力だったわけだし、それで状況が一変したのを目の当たりにしたら、自分の運命を受け入れるしかない。母親の呪縛から解き放たれたい一心だったけど、それ以上に自分のこだわりやとらわれから解き放たれたアタルちゃん。

 

ミッチー部長が言った「人は、運命を避けようとして選んだ道で、しばしば運命に出会う」。その通りになっちゃった。

 

違う道を選んでもいいけど、それでもそこに行き着くということは、持って産まれた能力を活かせってことなんだわよ。これは特殊能力にとどまらず、誰だってそうなんだよということを、上野の「その道のエキスパートになるんだよ」というセリフが代弁する。

 

どうしても、占い師であるアタルちゃんにスポットがあたるけれど、そういうことじゃなくて、仕事はどんな立場であれ尊くて、誰もが特殊能力あるわけでもないし、最初からエキスパートでもない。だからこそ、目の前の仕事を誠実にやっていく。それが続くことでキャリアになって、エキスパートになっていく。それも能力であり才能なのだといいたかったのね。このドラマは。

 

最後は、占いというより、友人・仲間としての相談の答えってかんじ。輝かしい未来が見えた上でのアドバイスだから話を聞くんだと思うけど、最後のアタルちゃんのアドバイスがあまりにも温かくて、ちょっとグッときちゃった。

 

占いでもチャネリングでもなんでもいいけど、最終的に選択して行動を起こすのは本人次第。占いはちょっと背中を押すだけで依存するものではない。拗れたりこんがらがったものを整理してあげる手段のひとつなんだよね。どんだけ占ってもらったって、その先の行動に移さないとなにも変わらないし、どんな選択であれ、行動しないと変わらない。

 

だから、どのエピソードも占いを受けたあとに必ず行動を起こして、自分でけじめつけていたり、もう安易に占いに頼らず進もうとしている描写は好感持てたし、制作側のこうなってほしいという意図を感じる。占いに依存する人も多いからね。

 

しかし、アタルちゃんのようにがつんと背中押すのって、○○の母とかH木K子とか「あんた死ぬわよ!」みたいな占い師、日本人が好みそうなキャラに仕立ててきたのも、わざとなのかわからないけど杉咲花ちゃんの可愛さとのギャップがあって、たまらなかったわ。

アタルちゃんの母・キズナは街角で占いというか、単なる悩み相談って感じに見えなくもないけど、いったいなんの占いなのか謎だったわね。

 

今回のドラマで、さりげないけど好ましいと思った描写が、仕事と家庭を両立させて働こうとする女性たちの描写。妊婦で出産しても仕事を続けようとする神田さんや、家族の面倒を見ながら働く田端さん、親の介護に直面した大崎さんとか、安易に退職の道を選ばないで家族と話し合ってキャリアを積もうとしている(ちょっと都合よく綺麗に終わらせちゃった感はあるけど)。それも裏テーマなのかなー。

 

現実ではドラマのようにうまくいかないケースのことが多いだろうし、退職を余儀なくされることだって往々にしてある。仕事をするということは、それだけじゃない人間関係、家族関係があって、それらも含めて本音で本気で話し合えば、なにか打開策があるかもしれない。そんなことを感じさせてくれたドラマでした。

 

ドラマ『過保護のカホコ』のときもそう思ったけど、逃げたり諦めたりするのは簡単だけど、どんなにごたごたドロドロしても、最終的には人間同士、家族同士が向き合わないといけないよというのが、遊川さん脚本の一貫して流れているテーマなのかなぁ。