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【欽ちゃんのアドリブで笑】欽ちゃんVS劇団ひとり&澤部のガチバトルだった!

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Cloudtail the Snow Leopard | Flickr

 

 

2017年11月11日(土)NHK BSプレミアム19:30~放送
『欽ちゃんのアドリブで笑(ショー)』

 

まったくノーチェックだったこの番組、たまたま観ていたNHK『あさイチ』のプレミアムトークゲストに欽ちゃんこと萩本欽一さんが出演されていて、自身のドキュメンタリー映画の紹介とともにこの番組の宣伝もしていたんですね。欽ちゃんの過去の栄光や昔のコント映像を紹介する番組なのかなと思ったら、芸人さんや俳優さんを交えたアドリブショーだというじゃないですか。半年に一回のペースでこの企画をやっていたみたいで、今回の出演者も半分は前回も出演していたようです。

 

 

予想を超えた面白さだった

今回の出演者は、芸人・劇団ひとり、澤部佑、河本準一、俳優・風間俊介、前野朋哉、女優・若村麻由美、子役の鈴木梨央(朝ドラ「あさが来た」の主人公の子役時代やった子です)とそうそうたるメンバー。

 

無茶ぶりの欽ちゃんに芸人がからむ企画がおもしろそうだと思い録画視聴。いや~予想を超えてすっごく面白かった! ドキュメンタリーか!というくらいの緊張感とスリル。お笑いなのに鬼気迫る欽ちゃんが怖い、という不思議な番組でもありました。

 

とにかく台本なし、リハーサルなしのぶっつけ本番。ゲストの面々は最初から不安そうな佇まいで、やらせでもなんでもなくガチ。芸人さんたちは日々バラエティで鍛えているだけあって元々ポテンシャルがある分、問題なく乗り切れるんだろうなと予測できるんだけど、問題は俳優・女優さんたちで、台本がないことに終始不安そうな面持ち。

 

往年の欽ちゃんのお笑いパターンはというと、おおまかな設定や台本のなかで真面目に演じながらも、欽ちゃんが求める動作に対して、相手が予想外の動きをすることでそこに突っ込みを入れ、笑いに変換するパターン。

 

坂上次郎さんや見栄晴、西山浩二など、これらの人たちが本気で体張ってボケているところに激しく突っ込むスタイル。予測がつかないからこそ思わず笑ってしまう。昔はこれでどっかんどっかんウケていたのに、80年代の漫才ブームによって欽ちゃんのお笑いは徐々に影をひそめてしまった。

 

だからこそ、今、欽ちゃんのお笑いが通用するのか、旬の芸人さんたちとどんなふうに渡り合っていくのか、ある意味、実験的な番組でもあるんだなと感じました。

 

 

 

欽ちゃんの独壇場

台本なしのアドリブというものの、欽ちゃんのなかに大まかな台本があって、出演者は突然それを知らされ、言われるがままに配役が決められ演じていくも、欽ちゃんはどんどんひっかき回していく。一見わがまま演出家みたいにもみえるけど、それが欽ちゃんの狙いで、不確定要素のなかで瞬間的に生まれる笑いを求めているように思えたし、それが往年の欽ちゃんの芸風だよなと納得。

 

出演者の即興力が試され、それぞれが持つポテンシャルによって配役はどんどん替えられていく。時間が経つにつれてある程度配役は決まっていくものの、いきなり違う人に役をふってひたすらかき回し続ける欽ちゃん。そして、ますます困惑する出演者たち。その状況を読み、挑んでいけるかどうかがキモだとでもいうような容赦のない展開に、だんだん見ている方もハラハラしてくる。欽ちゃん怖いよ。

 

やはりバラエティー慣れしている芸人さんたちは強い。撹拌し続ける欽ちゃんに食らいつき、しっかりボケようとする。でも、欽ちゃんはウマいボケやネタ、キャラは求めていなくて、まじめに演技するなかで生まれる差違を笑いに変えることに徹するので、意図的に笑いをとろうとする芸人さんたちの鼻をことごとくへし折るのだ。

 

 

 

欽ちゃん VS 劇団ひとり

有無を言わせない欽ちゃんの世界観に、芸人たちは苛立ちを隠せず、舞台袖で愚痴る姿がリアルすぎて観ている方も怖くなってくる。袖にいても急に欽ちゃんから呼ばれて突然役を振られるので、のんびりすることもできない。

 

状況がまったく理解できていない子役・梨央ちゃんに、河本が「大人が自分たちのことで精いっぱいで(梨央ちゃんを)守ってあげられない」とつぶやくくらい、周りの大人もこの状況についていけなくなっている。俳優陣の風間俊介、前野朋哉(二人とも2回目の出演なのに)もすでに脱落気味。

 

そこへ、苛立ちをあらわにし果敢に挑んだのが劇団ひとり。欽ちゃんに指図されても抵抗し本気でぶつかると、その緊張感がいい具合に笑いを生んでいく。さらに澤部もモノボケをちょいちょい入れながらこれでもかとボケ倒す。欽ちゃんも負けじとダメ出しとツッコミをいれる。これはもう戦いであり、同時に化学反応が起きた瞬間でもあった。こんな予定調和ではない笑いは久しぶりに見たし、80年代ならともかく、今の時代、こんな笑いは考えられないことになったんだと、なんだか複雑な気持ちにもなった。

 

欽ちゃん帝国に芸人がキャスティングされ、あれだけバラエティー慣れして立ち回りのうまい劇団ひとりや澤部が、ひっかき回されあわてる姿はそうそう見られない。明石家さんまがトーク番組で回すのとは違って、ガチなお笑いでの戦い(河本は現に欽ちゃんの圧に完全に負けてた)。そういう点では欽ちゃんがいま活躍している芸人を切り崩す、いや、いたぶるというのは珍しいシーンであり、サディスティックなやり方に妙な新鮮味を感じてしまった。

 

 

ぜひとも「アドリブで笑」レギュラー化希望!

近年の活動も舞台演出が主で、欽ちゃんが求める笑いは、今のテレビの作り方に合わなくなっていることがみていてよくわかりました。欽ちゃんの求める笑いは、言葉の笑いじゃなく予測不能の動作の笑い。画面いっぱいのテロップで収まるような質のものではないから、現代の制作側としては使いにくいでしょうね。

 

今のお笑いは、ネタ番組が特番としてときどき行われる、あるいは大会や舞台で披露される作りこまれた台本をベースとしたお笑い。そこから派生した、空気を読んで面白いことをいう芸人さんが重宝されて、すっかり台本化された情報番組でちょっと盛り上げる役みたいなことで消費される。欽ちゃんはそれを「言葉での笑い」といっていた。でも、それだって笑いのひとつであることには変わりないと思うのだけど。

 

いろんな笑いの種類があるとしたら、単に民放に合わない、ただそれだけなんですよ。もはや有料チャンネル向きといってもいい。今の時代の中では欽ちゃんの笑いはもっともコアな笑いの部類になってしまったのかもしれません。

 

まっちゃん(松本人志)がAmazonプライムでコンテンツを作ったのだってそういうことだろうし。

 

 

欽ちゃんの笑いへ姿勢はちっとも衰えておらず、今は舞台を中心にやりたいことをやっているようですが、環境さえ整えばまだまだ面白いことをしそうだと思うんです。NHKさん、半年に一度といわず、「LIFE!」みたいに二ヵ月に一回はどうでしょう?

 

サディスティック欽ちゃんVS活きのいい若手芸人バトルとしてめっちゃ刺激的なコンテンツができるのではないですかね? ドキュメンタリーでもいい。AmazonプライムかNetflixあたりでレギュラー化してほしいくらい。そうなったらぜーーーったい加入するわ!

 

ゲストも浅井企画のベテランから始まって、マセキ芸能社、ナベプロ、人力舎あたりのベテランから人気芸人をズラっと並べて、ことごとく欽ちゃんにダメだしされまくる。ときどき新人芸人が反旗をひるがえしたり泣いてみたり、ガチでぶつかる。

スペシャルでは満を持して、欽ちゃんVS松本人志とかやったら絶対みたい! 有料でも加入者増えると思うわーどうですかAmazonさん&Netflixさん。

 

もし、NHKで『欽ちゃんのアドリブで笑』の再放送、もしくは次の新しい回があったら、ぜひ観てみることをお勧めしたいです!

 

 

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