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【ひよっこ2】1話感想ネタバレ:日常に疲弊している人こそ観るべきほっこりドラマ

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Bong Grit | Flickr

 


2018年3月25日から4夜連続放送『ひよっこ2』が始まりましたね。もう朝ドラではいい人しか出てこない安定・安心して見ていられる岡田惠和さん脚本なので、いっくらでも話膨らませて続編作れるやんと思いつつ、しっかりほっこり期待して見てしまう岡田作品。楽しみにしていました。

 

今回は30分を1話として、4日連続放送なんですね。毎日見られるのはうれしい。純粋に続編ってかんじで、それぞれのキャラが個性的なまま展開していくのはかわらず。

 

気になった点としては、ライザップによって痩せた佐藤仁美演ずる高子。『ひよっこ』放送中のときにくべたらずいぶん痩せたので、どういう脚色するのかなと思ったら、脚立に乗っていたときに自らの体重で壊したことから痩せた設定になっていました。まあ、そういうことにしないとつじつま合わないよね。

 

それと、みね子の母親みよ子(木村佳乃)の北茨城弁?が妙に不自然で違和感ありまくり。民放ドラマでお忙しくしていたので、その流れで方言が追いつかなかったのかしら。

 

前から思っていたけど、奥茨城で農業を生業としているのに、あの綺麗な肌はなんなんだ!? 他の谷田部家の面々はちゃんとドーランで日焼けっぽくしているのに、みよ子だけはドーランの色が薄い。そしてキレイすぎるのが違和感しかないんですけど。普通、農作業してたらもっと紫外線で乾燥してシワシワなはずなんだけどな。時子の母・君子にしてもそうで、ここらへんは未だに解せない点。木村佳乃、いつもどの役やっても肌がツルピカ過ぎなんだよ。たまにはしわくちゃ特殊メイクしてくれ。

 

みね子は秀俊と結婚して、どこか新居に引っ越すのかと思いきや、そのままあかね荘に二人で住むとかありえない!と思ったけど、すずふり亭、長時間労働でハードだし、帰ってきてもただ寝るだけだろうから、近くでちょうどいいってことか。けど、隣の部屋が漫画家の二人。新婚生活もままならないわね、いろんな意味で。たしか、女優・川本世津子も同じアパートに住むことになって終わったよね? 今回出てくるのかしら? 

 

乙女寮の仲間、豊子と澄子も一緒のアパートに住んでいて、この2年のあいだに豊子は成長したらしく、大人顔になっておりましたね。最初豊子に見えなくて誰かと思ったわ。

 

ヤスハル、子どもにも呼び捨てにされるヤスハル。1人ギター姿もいい! ヤスハル、けっこういい声してるのよ。

 

あと、忘れてはならない最強におもしろい安部米店の面々。米子と三男のテンポのよい掛け合いと、朝食のパンと米で揉めている風景はほっこりしますわ。しかも、米派だった父親がパン屋の奥さんがキレイだからってパン派に、米子は米派に逆転。このあたりも2年の月日を感じさせるちょっとほっこりポイントだったわ。

 

三男役の泉澤くん、右往左往するところいいわ~~。朝ドラでブレイク、その後の『コウノドリ』『アンナチュラル』『グッド・ワイフ』の1話単発ゲストとして爪痕を残している(と思う)ので、もっともっといろんな役柄で、できればハードな連続ドラマに出て欲しいなぁ。


1話目でのテーマは、それぞれのキャラがそれぞれの立ち位置で頑張っているところを紹介しつつ、すずふり亭の店主・鈴子(宮本信子)が元気なくなってきたことから、お店の今後をどうするかと心配するすずふり亭メンバー。

 

年齢と共にだんだん体がいうことを効かなくなってきたであろう鈴子。2年のあいだにそんなに老け込むかなと思うような、メイクのせいもあるんだろうけどけっこうな老けっぷりを演じる宮本信子がすごいなと思ったわ。ていうか、リアルな老け?

 

そんななか、省吾と結婚した愛子さんは、ときどき店を手伝うもオーダーをさばききれず倒れた経験があり、それ以来、周りからはあまり期待されていない様子。でもそれは愛子の演技で、店を切り盛りしてきた鈴子のプライドや生きがいを保たせるためにしていたっていうのが泣かせるじゃない。

 

たしかにね、嫁がやたらテキパキこなして自分を超えるようなことになったら、生きがいは失われてしまうかもしれない。だから、あえて愛子はダメなフリをして「自分がいないとダメ」と思ってもらおうとしていたらしい。しかも、そのことはもう鈴子さんにバレていると思っているし、鈴子さんも気付いている。お互いに思いやっているんだよね。

 

この展開、なんとなく周りが勝手に心配してただけってことで終わる予感がするんだよね。実際に体力の衰えはあるかもしれないけど、本当は楽隠居したいわ~とか、愛子に代わってもらいたいと思っているかもしれないし、まったく別のことを考えているかもしれない。それを言い出せずにいて、勝手に周りであーでもないこーでもないと想像して騒いでいただけじゃないかと。なんとなーく明後日の4話でそんなオチになる気がします。

 

岡田さん脚本の素敵なところは、何気ない日常の会話なのに、それがどんなに愛おしいものかというのをキャラを通して感じさせてくれるところなんですよ~~。正直、いい人しか出てこない設定だし、誰も傷つかない。実の記憶喪失、そのことで急遽就職することになったみね子、ヤスハルが養子だとか、破天荒な宗男叔父さんの戦争の話とか、つらくて酷な体験すら周りが優しく包み込む。

 

現実世界では、岡田作品みたいに周りが全員優しくて包んでくれる人ばかりじゃない。なんでこんなにみんな優しいんだ!? ドラマだけのきれいごと、空想世界だとわかっていながら、どこかでこういう優しさを渇望しているのかもしれないし、現実で精神的に擦り切れているせいか、たまには悪人も殺人もないひたすら優しいこういうドラマで癒やされたいのかもなと、つくづく感じたりするんですよ。

 

そして、今回の1話、鈴子の老いとかすずふり亭の行く末を案じる描写が、じんわり現実とリンクしてきて中高年に響くようになってるもの~~。どんなに生きがいを持って仕事をこなしていても、加齢と共にきつくなるのは当たり前だし、いつかは引退する時期がやってくる。ついつい自分の姿を投影してしまって泣けてくるわけよ。ターゲット層狙い撃ちよ~~!

 

鈴子の姿は数年後の自分。いつまでも仕事ができると思いたいけれど、年々体がついてこなくなる現実。だけど、本当に自分でムリだと思えるその日まで働いていたい。それが明日なのか明後日なのかずっと先なのかわからない。

 

ふと、私のバイト先にいるお局先輩を思い出した。年齢は聞いていないけど絶対に60オーバーのベテランであることには間違いない。今はテキパキものすごいスピードで仕事をこなしているけれど、実は体しんどいとか思いながら働いているかもしれないし、いつか火が消えるかもしれないという不安を抱えながら踏ん張っているのかもしれない。

 

そう思うと明日は我が身、目上の先輩たちはきっと皆、大なり小なりそんな気持ちを抱えているんだろうなぁと思うと、先輩を思いやる気持ちが自然と生まれてくる。

 

こんなふうに優しい気持ちにほだされるのもたまにはいい。優しさにまみれたら、また人を責めたり責められたり、緊張したり、疲弊する日々に戻るのだ。疲れている人ほど、こういうドラマをみて、何も考えずほっこりして脱力したらいいと思いますよ。

 

2話の予告トレーラーでは、またまた宗男叔父さんがなにかやらかす模様。いいぞ、宗男叔父さん! そして、乙女寮メンバーが集まるシーンとか、ヤスハル熱唱シーンが! こういうのが4夜連続って楽しみすぎるわ。

 

 

【グッドワイフ】10話最終回感想:古い価値観を引きずった夫婦が出した結論

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日曜劇場『グッドワイフ』|TBSテレビ

 

きれいに終わりすぎだよ!! というのと、たった3ヶ月で終わらせるために詰め込みすぎた感があったかなというのが率直な感想。

 

以下、ネタバレが含まれます。観ていない方はご注意を!

 

 

塩・タレの演出

展開としては、最終話の中で二転三転、裏切っているのかいないのか、裏切ったように見せかけて実はそれは仕込みだったとか、いろんな意味で事務所に対して一物を抱えるみちると朝飛の行動が、視聴者を揺さぶるキーとなってておもしろかったですね。

 

2人が焼き肉店で食事をしているシーンが印象的。熟成肉の食べ方について、「熟成肉は塩のほうがおいしいって多田先生が」と、タレを付けそうになったみちるの手を止め、しばらく視線の探り合いになる。その視線はみちるの多田を信じるという意思を描いているわけよ。朝飛がみちるを尊重しようと「タレです。タレでいきましょう」と折れるのに、みちるは塩を付ける。それは、多田が熟成肉の食べ方を指南した=つまり多田の言い分を信じているということ他ならないわけ。

 

でも、朝飛はこの時点ではまだ多田を信じ切っていないばかりか、事務所を切られた複雑な思いや、みちるに食事を誘われたのは自分目的じゃなく、多田に有利になるような情報を引き出すための誘いだったことから、あえてタレを付けて食べて、やっぱりおいしく感じないという表情からの~その後の裁判で証人として立ったときのセリフ、「信じていたのに裏切られた気持ちです」と強く発言するところまでがセットだったのね。流れるような脚本だわ。そして、演出が本当に見事。タレを付けるところにいちいちSEをつけるところも、ちょっとわざとらしいと思うかどうかギリギリな感じがまたいい。

 

どちらも被告人である多田や検察側の壮一郎にワケありで、どっちに付くのか付かないのかハラハラさせ、結局は2人とも事務所側に付く結果となったわけだけど、なんでかんでいつだって裏切れたはずだし、絶対情報売ってやろうとしてたはずなのに、杏子や多田の人柄(というか人情操作かもしれないけど)にほだされてしまったんだねぇ。

 

白黒つける裁判の中で、提出した証拠が一見被告人を追い詰めるかのようにみえて、それが別の事実により被告人を助けるものになってしまう展開はやられたなーと思ったのと、壮一郎の狙いが単なる嫉妬ではなくて、多田はただの噛ませ犬であって、検察の膿を出すべく動いたっていうのがさー、唐沢寿明だからってなーんかできすぎっていうか、結局、正義感が強い策略家といういい面しか描写されていない感じが納得いかないわねー。

 

正義を振りかざしておいて、過去の過ちは誰にも断罪されずに堂々と検事正に戻ってんだよ。まあ、不貞問題は夫婦の問題だし、おそらく壮一郎とみちるは1回だけの過ちを周囲の誰にも言ってないつもりなんだろうけど、だけどさ、当時の職場の人間とのことだったわけだよ!? 脇坂(吉田鋼太郎)だってそれとなくみちるの好意を知ってたし。それで、みちるだけが辞める形になるって、こういうの、いつも女性だけが不利だよなーって思う。だから、こういう設定はドラマとはいえ、なんかモヤモヤするんだよね。

 

壮一郎が「膿」といったのは、次長検事である御手洗のことだったけど、かつて容疑をかけられていたとき、脇坂にもさんざん痛い目みてきたのにそっちはただ利用するわけだー。脇坂がゲスで上司に取り入ろうとする性格すら見越して利用するところは唸ってしまったけど、あまりにもかっこよすぎじゃない? 

 

しかも最後は検察の人間を引き連れて、レッドカーペット階段をババーンと乗り込む姿はもう主役級の振る舞いじゃん。『白い巨塔』とか『不毛地帯』か! 最終話は杏子の決断というより壮一郎をいい人にして終わってしまった印象がなんだかなぁとモヤっとする。

 

女が立派すぎると男は弱みを見せられないから

かっこよく立ち振る舞って汚名挽回したかのようにみえた結果のうえで、本筋は夫婦問題。どんなに挽回したようにみえても、杏子のモヤモヤした気持ちは晴れていない。一線を超えるということを許せるようなものでもないし、またその気持ちに正直になろうと決めた杏子の心情というかキャラクターがいかにも日本人的でしたね。

 

どんなに壮一郎ががんばったところで、一度犯した過ちは犯罪歴さながらに夫婦関係の中では信用を落とすし、犯罪並みの烙印を押されるようなもので決して消えない。そして、そういうことを許すって難しい。NTRを嗜好とする夫婦ならともかく、一般的には婚姻関係にあるパートナーが他で浮気をすることは耐えがたいことではあるけど、こういう問題って夫婦のどちらにも原因があったりするのよね。

 

それをほのめかすような神山(賀来千香子)の「女が立派すぎると男は弱みを見せられないから」というセリフ。杏子が隙のないいい妻をやってきたこと悪いとはいわないけれども、男が窮屈になって弱みを見せなくなるっていう・・・。こういうセリフや価値観、描写されるたびに「またか」とうんざりしてしまう。女が立派だからとかそういうのに揺るがない成熟した男の描写はないもんかねー。

 

女が立派だからってそれを浮気の理由にすんなって話なのよ。いい奥さんで隙がない? いい妻すぎて何が不満? 女が立派だと弱みをみせられないからって、馬鹿な女になれとでも? そこまで女が全部面倒みるのかよ~~母親かよ~~と思うわけ。もう時代は変わったんだし、そういうのやめようぜ~と全力で思ってしまったわよね。

 

 

新しい家族の形

結局、最後は離婚を選択した杏子と壮一郎。しかも円満離婚。役所の封筒って、離婚届収まらないんだねーというか、縦の四つ折りじゃなくて普通に用紙畳めばいいのに、そこはホレ、離婚届に壮一郎がサインしたことを視聴者に見せるため、芸が細かい演出だわ。

 

お互いバリバリ仕事している立場なら、夫とか妻とか、縛りあわない関係のほうがうまくいくかもしれない。離婚しても子どものために家族という組織の共同経営責任者にはなれるってことでは最高の形かもしれないし(お互い法律の専門家だからそこはきっちりできそうだし)、今、夫婦関係で求められることは意外とそういう意識かもしれないなと思いましたね。

 

それに、その決断ができた杏子は、まちがいなく事務所の正式採用が一番背中を押したと思うし、こういう決断は自分の経済的自立があってこそできるという面もあるので、女性が自立してこそ、自分の人生に明確に決断し、責任が持てるってことなんだよね。そういうことを自分に置き換えたとき、アラフィフからの自立はかなーりキツイけれど、なんらかの形で成し遂げたいという気持ちは自分の中にあるし、その気持ちをドラマを通して改めて確認できた気がする。

 

どうしてもアラフォー世代は昭和から続く結婚の価値観の残党なわけで、視聴者もそこらへんがターゲットでしょ? もはや、夫が外で働いて妻が家を守る、しかも良妻賢母でっていうのはいかにも昭和な価値観だし、いい加減、そういうのは時代に合わなくなっている(だから、朝ドラ『まんぷく』は好きで観ているけど、ちょいちょいふく子の良妻賢母ぶりが鼻につくのよ)。ていうか、経済的に厳しいこの時代、夫婦共稼ぎしないと立ちゆかないし、性別関係なくいろんな役割を担っていかないと家族という形を維持できないよという警鐘ともとれます。

 

夫婦や家族にとってなんらかの出来事が起こり、紆余曲折あって再構築する。お互いに経済的にも精神的にも自立するという、これからの夫婦や家族の形を、日曜夜9時に値するようにきれいにまとめたドラマだったんじゃないですかね。最初は海外版と比較こそしたけれど、回が進んでいくごとに、もうそういうのは関係なく純粋に楽しめました。

 

 

賀来千香子がなかなかいい味でてた

最終話はできれば2話くらいは引っ張って欲しかった~~~。せっかくキャスティングとどんでん返しが多くておもしろかったんだから、もっとじっくり人間関係とか、キャラの心情描写を重厚かつ繊細にやってもらったら、もっと感情移入とかどんでん返しのときのカタルシスがあったのになと思ったけど、この短い3ヶ月という期間を、場面(最終回のみちると協力者が待ち合わせる高架下の画がすこぶるよかった!)や小物、演者の表情の演出、BGMのすばらしさで十分に補完していたと思います。

 

最後に、最終話の賀来千香子の迫力ある法廷シーン、すごく良くて!! 今回のようなちょっとキツめのキャラとか感情を荒げる演技がすごく似合ってるし、ルックスが派手なので辛辣なセリフが似合う似合う。ラストは事務所を独立した父親と、1話に出てきた武田鉄矢の番組ステッカーに関する裁判で法廷に立ち対決するとか親子対決の激論ぶりも愉快すぎる。妙に専門用語の滑舌がいいなと思ったら、テレ朝でずっと弁護士役でシリーズやってたんだもんね。そりゃあ違和感ないわけだわ。

 

それに衣装もさすが現役モデル、美しい着こなし。経営者の貫禄を表すようなシックで大人なデザインスーツの数々。毎回衣装も楽しませてもらいました。近年、単発ドラマの刑事ものとかでしかお見かけしなかったので、どこかB級扱いというかなんというかゴニョゴニョ・・・。賀来千香子って実はまだまだポテンシャルのある女優さんだと思います。こういうゴールデンタイムのお金をかけたいい作品に出る賀来千香子がみたい! テレ朝でB級刑事ドラマに収まらないで欲しいのよ~~。

 

ということで、日曜夜9時、最後まで観てしまいましたとさ。おしまい。

 

【ハケン占い師アタル】9話最終回感想:誠実に目の前の仕事に取り組むことも才能

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木曜ドラマ『ハケン占い師アタル』|テレビ朝日

 

いやあ~、なんだか丸く収まっちゃったな~というのが率直な感想。

以下、ネタバレが含まれますのでご注意を!

 



ドラマタイトルの『ハケン占い師アタル』っていうのは、母親に搾取され続ける占い師という仕事に嫌気がさし、その能力を封印して一般社会に溶け込もうするも、やはり人から求められて占いをするうちに、自分の才能を活かそうと腑に落ちて、最後はハケン占い師として自立するまでのお話ってことだったオチ。

 

遊川さん脚本の好きなところは、一見丸く収まっているように見えて、現実で起こる出来事はそう簡単に変わるわけもなく、トラブルが続いたりまた悩みが出てくるところをちゃんと描くところがリアルでいいのよ。

 

シンシアベイツDチーム全員が、それぞれアタルちゃんに占ってもらったことで、少しだけ流れがいいほうに変わってくるんだけど、一歩進んだ先でもまた新たな悩みが出てくるわけよね。もうアタルちゃんの占いに頼らないと決めて、自分で進んでいこうとするんだけど、それぞれ占いに頼りたくなるなるような決断を迫られる悩みに見舞われるわけ。

 

別にさ、友だちに「相談」する体だったら話くらいしてもいいとおもうけど、アタルちゃん相手だと相談=占いになっちゃうんだもんね。だから、何も言えず1人で抱えてしまう。

 

アタルちゃんは聞かれなくてもお見通しなんだけど、そこは本人の気持ち尊重。ここらへんの誰にも相談できない描写がね、わりとありがちだよなーと思ったの。人って悩みが深刻になればなるほど何も言えなくなるもんなのよ。

 

モヤモヤした気持ちを抱えたまま、CSRイベントを進めていくんだけど、クライアントが勝手にいろいろ提案しては丸投げという、こういうの、会社レベル個人レベルでいるいる!ってなったわね。しかも、勝手によけいな段取りしてくれちゃって、どんどん事が拗れていく。

 

イベントはスタートするも当日になってトラブル続出し、奔走するDチームたち。ここの描写が、人間の身勝手さをこれでもかとぶつけてくるのよ。被災地をダシにする企業、不倫騒動でドタキャンになった歌手、呼ばれてもいないのに歌手目当てで勝手に会場に来る一般人、文句ばかりの来場者・・・。こういう人間のゲスなところをしっかり描くのが遊川さん脚本の真骨頂よ。現実って間違いなくこういうことの連続だもの。きれいごとばかりじゃない。

 

代々木部長ことミッチーが「こう見えても私、歌とダンスには自信がありまして」と言い出したとき、そのまま華麗に歌ってくれたらいいのに~ミッチー。

 

トラブルによりどんどん段取りが悪くなっていく状況で、子どもたちが置き去りになってしまうんだけど、そのときアタルちゃんは、子どもたちの心の声を聞いちゃったのよねぇ。そしたら黙ってられないでしょうが。そのことで、子どもたちが自発的に行動を起こし、イベントは逆に感動的に終了。

 

この出来事が、アタルちゃん自身の能力の封印を解くきっかけとなるわけだ。占い以外のことで自立したかったけれど、危機的状況で自分に出来ることは「占い」という特殊能力だったわけだし、それで状況が一変したのを目の当たりにしたら、自分の運命を受け入れるしかない。母親の呪縛から解き放たれたい一心だったけど、それ以上に自分のこだわりやとらわれから解き放たれたアタルちゃん。

 

ミッチー部長が言った「人は、運命を避けようとして選んだ道で、しばしば運命に出会う」。その通りになっちゃった。

 

違う道を選んでもいいけど、それでもそこに行き着くということは、持って産まれた能力を活かせってことなんだわよ。これは特殊能力にとどまらず、誰だってそうなんだよということを、上野の「その道のエキスパートになるんだよ」というセリフが代弁する。

 

どうしても、占い師であるアタルちゃんにスポットがあたるけれど、そういうことじゃなくて、仕事はどんな立場であれ尊くて、誰もが特殊能力あるわけでもないし、最初からエキスパートでもない。だからこそ、目の前の仕事を誠実にやっていく。それが続くことでキャリアになって、エキスパートになっていく。それも能力であり才能なのだといいたかったのね。このドラマは。

 

最後は、占いというより、友人・仲間としての相談の答えってかんじ。輝かしい未来が見えた上でのアドバイスだから話を聞くんだと思うけど、最後のアタルちゃんのアドバイスがあまりにも温かくて、ちょっとグッときちゃった。

 

占いでもチャネリングでもなんでもいいけど、最終的に選択して行動を起こすのは本人次第。占いはちょっと背中を押すだけで依存するものではない。拗れたりこんがらがったものを整理してあげる手段のひとつなんだよね。どんだけ占ってもらったって、その先の行動に移さないとなにも変わらないし、どんな選択であれ、行動しないと変わらない。

 

だから、どのエピソードも占いを受けたあとに必ず行動を起こして、自分でけじめつけていたり、もう安易に占いに頼らず進もうとしている描写は好感持てたし、制作側のこうなってほしいという意図を感じる。占いに依存する人も多いからね。

 

しかし、アタルちゃんのようにがつんと背中押すのって、○○の母とかH木K子とか「あんた死ぬわよ!」みたいな占い師、日本人が好みそうなキャラに仕立ててきたのも、わざとなのかわからないけど杉咲花ちゃんの可愛さとのギャップがあって、たまらなかったわ。

アタルちゃんの母・キズナは街角で占いというか、単なる悩み相談って感じに見えなくもないけど、いったいなんの占いなのか謎だったわね。

 

今回のドラマで、さりげないけど好ましいと思った描写が、仕事と家庭を両立させて働こうとする女性たちの描写。妊婦で出産しても仕事を続けようとする神田さんや、家族の面倒を見ながら働く田端さん、親の介護に直面した大崎さんとか、安易に退職の道を選ばないで家族と話し合ってキャリアを積もうとしている(ちょっと都合よく綺麗に終わらせちゃった感はあるけど)。それも裏テーマなのかなー。

 

現実ではドラマのようにうまくいかないケースのことが多いだろうし、退職を余儀なくされることだって往々にしてある。仕事をするということは、それだけじゃない人間関係、家族関係があって、それらも含めて本音で本気で話し合えば、なにか打開策があるかもしれない。そんなことを感じさせてくれたドラマでした。

 

ドラマ『過保護のカホコ』のときもそう思ったけど、逃げたり諦めたりするのは簡単だけど、どんなにごたごたドロドロしても、最終的には人間同士、家族同士が向き合わないといけないよというのが、遊川さん脚本の一貫して流れているテーマなのかなぁ。

 

【グッドワイフ】9話感想:正義ヅラしてても蓮見壮一郎はやっぱりクソ

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日曜劇場『グッドワイフ』|TBSテレビ

 

※ネタバレが含まれます。観ていない方はご注意を!

 

 

前回までの話では壮一郎の女性スキャンダルは遠山亜紀(相武紗季)とのあいだにあるかないかが焦点だと思っていたら、そっちはなんにもなくて、まさかの円香みちるかい!というオチ。

 

誰かが仕組んだハニートラップにひっかからなくても、自らシラフでやってたんじゃあ、杏子も完全に呆れるでしょ。

 

しかも、「墓場まで持っていこうと思っていた」とかいってバレなければいいと思っているズルさとクズさ加減。ダメだ、こいつ。壮一郎、真面目な顔してなかなかのクズだ。自分は影でやることやっておいて、妻が男に言い寄られているのは阻止するという嫉妬深さとご都合主義。

 

それで容疑が晴れたからって現場に戻って、公私混同ともとれる多田潰しの証拠探しにかかる壮一郎。男の嫉妬は怖いわ。妻の立場からしたら、おまえ、そんなことできる柄か!と。自分は言い寄られてあっさり一線越えたくせに、まだ恋愛関係すら始まった確証もない妻と多田の関係を、どうにかする権利があんのか!って話。

 

もっとつらかったのはさ、仮採用期間に慣れない杏子を仕事面で助け、だんだんに距離が縮まり、友人としてもアフターを一緒に過ごすまでになったみちるが、夫と過去に一度だけとはいえ一線を越えていたという事実。

 

仮採用中&夫の疑惑で心身共に不安定だった杏子が頼りにし、公私ともに信頼して心を許していただけに、そのショックは計り知れないわよ。

 

だって、過去に夫とみちるがそういうことになった過去をわかっていながら、自分に何事もなかったかのように接していたってことになるもんね。(だからって、最初からそんなこといえないけどさ)バレなければいいと思っているんだ、この人たち。そういうところもショックなのよ。

 

正義ヅラした夫が影ではそういうことをしていたなんて・・・。なーにが「墓場までもっていくつもりだった」なのよ。はあああ?って感じよね。だったらバレないようにしろや。女の口止め完璧にしろや。まったく脇の甘い男ですよ。

 

とはいえ、壮一郎と一線を越え、転職したことでみちると杏子と出会えたわけだから、人生皮肉なもの。どうか、杏子が正式に離婚したあとに、バカ男に付き合ってしまった仲間ってことで仲良くなれたらいいのだけど、結局、みちるは事務所を辞めてしまったし、そう簡単に関係は戻らないわよね。

 

このドラマ見ていると、司法を私物化しているようにしか見えない。裁判結果なんて、口がうまい人がどうにでもできる世界でさ。上下関係、友人関係の癒着や忖度で司法の世界も成り立っているんだろうな。

 

最終回は、贈賄容疑をかけられた多田と検察の真っ向対決らしいけど、壮一郎はそれでどうしたいのよ? 自分が検事としてすごいんだというところを見せつけたいわけ?


そんなことであんたの裏切りは消えるわけではないし、杏子の不信感が募るだけでしょうよ。バカだねぇ。よけい杏子は「多田くん助けなきゃ」モードになるに決まってるでしょうが。小せぇ男だよ。

 

多田くんも最初のほうで「かなり強引なやり方をする」と周りに言われていたことと、小宮裁判官(野間口徹)とは普段からフットサルで仲良しだというのが伏線となってて、最終話でそれが回収される模様。ちょっと展開が強引な気もするけど。

 

杏子は弁護士として、事務所側の人間としても多田を救うほうで立ち回るんだけど、それよりもなによりも、壮一郎との夫婦関係をどうするのか、そっちの決着を見たいですね。

 

既に離婚届も手元にあるわけだし、ここはひとつ、どーんと離婚でお願いします。元サヤだけはなしでね!!! 

 

【3年A組】10話最終回感想:一颯が本当に伝えたかったことを考える

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3年A組 ―今から皆さんは、人質です―|日本テレビ

 

終わってみれば視聴率も良く、ドラマ終了直後のhuluにアクセス殺到してサーバダウンするなど、話題性に富んだドラマとして有終の美を飾ったわけですが、これはもう菅田くん+永野芽依の迫真の演技が支えてきたといっても過言ではないでしょう。この2人がいなかったら私は途中脱落してたな。

 

ドラマが伝えたかったであろうメッセージは、デジタルネイティブである10~20代に一番届いたみたいで、サーバーダウンという事象が起こっても炎上までいかなかったらしいです。ドラマ効果ありましたね。


以下、ネタバレが含まれますので、観ていない方はご注意を!

 

 

 

9話では、景山澪奈に関わるフェイク動画を作った教師の武智大和とベルムズを糾弾することで終わりなのではなくて、真の目的は別にあるというところで終了してたので、これ以上なにを目的にするのか皆目見当が付かなかったわけ。だいたいが、事件に対して犯人がいて、それが捕まって終わりなパターンだから。

 

この10日間によって、世間はこの事件に釘付けになっているわけだけど、世間はまるでエンターテイメントとかリアリティーショーを見ているように他人事で、ただ思ったことをSNS発言をし続けたり、その様子を笑いながらスマホをのぞき込む姿は、ドラマとはいえ、ゾッとするシーンだなと思いましたね。

 

凶悪な事件が起こっていても、スマホを介するとそれはリアルではなくなるのか、SNS民は言いたい放題だし、SNSを前にするといとも簡単に愚痴を吐き出すシーンもリアル。監禁された子どもたちの親も疲弊しすぎて「何日学校に寝泊まりしたと思ってるんだ」っていう本音投稿するシーン(子どもの心配よりも自分かよ!と思った)とか。何気にドラマ冒頭シーンから、SNSの浸透ぶりが顕著であることがうかがえる演出でした。

 

一颯は精神を病んだ文香の一件から、悪をなした実行犯以上に、そのことを正義の名のもとに糾弾し拡散、炎上させてきたSNS利用者も問題であることを、身をもって知らしめることが一颯の目的だったというオチ。

 

なにか事件が起きたとき、本来ならば被害者と加害者が当事者同士で裁判や解決を試みるはず。それが、かつてはテレビのワイドショーや週刊誌がやっていたことだけど、今ではSNSの普及によって不特定多数の誰もが二次的に荷担し糾弾する世の中になった。しかも自分は正義だと言わんばかりに。

 

そのことを言及したかったがために、実際に事件を起こして、SNS利用者に直接訴えたというわけだ。

 

菅田くんの演技も回を追うごとにどんどん迫真に迫っていくわけよ。病気で余命幾ばくかもなく衰弱していくという演技を強いられるので、このドラマのために体重10キロ落とした菅田くんも、衰弱演技+アクションありきでリアルに衰弱したんだろうなぁ。

 

その状態で演じたドラマ後半のセリフは圧巻だった。こちらがドラマについてあれこれケチつけたり、思うところはあるけど、菅田くんの圧巻の演技でいったん持っていかれた感じがする。久しぶりに菅田くんを堪能できた気がする。

 

一颯に込められたメッセージは祈りでもあったことは郡司(椎名桔平)のセリフで語られるけれど、菅田くんの演技によってそれはすごく伝わってきてたし、単なるドラマのセリフなのではなくて、脚本を書いた脚本家をはじめとするドラマ制作者や、エンタメ業界に関わる人たちの祈りでもあったんじゃないかなとすら感じましたね。

 

エンタメに関わる人たちは、テレビ視聴率やらSNSの評判に翻弄されてきた張本人たちだものね。特にドラマに出ようものなら、いいも悪いもすぐにSNSで発言され、その評判や炎上を気にして敏感になっている。そして、テレビもなにかと「ネットの反応」と簡単に取り上げて、ただ一部の人間の発言なのに、さも世論の代表かのように取り上げてしまうところもどうかと思うし。

 

それこそ、永野芽依ちゃん主演の朝ドラ『半分、青い』放送中、これは脚本家の北川さんが不用意なSNS発信をしたことから炎上していたことは記憶に新しいし、その脚本で演技をしていた芽依ちゃんもなにかととばっちり受けたんじゃないかなと想像すると(実際に役柄については叩かれまくってたけどね)、悪評は有名税という以上に人々に晒される過酷な仕事ですよ。そういうこともあって、実際にエゴサーチしない芸能人多いっていうしね。

※『半分、青い』はとにかく叩かれ方が凄かったから! 

wiki参照

半分、青い。 - Wikipedia

 

菅田くんについてはあまりネット上での悪評は目にしたことはないけれど、もしかしたらこちらが知らないだけで本人、あるいは出演作がSNSで叩かれた経験があるかもしれないし、炎上している芸能人が近くにいたこともあったかもしれない。・・・ということを加味して想像すると、(どうしても臭いセリフがアレなんだけど、そこは菅田くんの力量で払拭)もうセリフ以上の「祈り」にしか聞こえなかった。

 

ゲスい世間を10日間であおりにあおって注目を集めて、最終的にSNS民たちを逆に翻弄するところはおもしろかったし、エンディングのさくらが一颯の遺影に語りかけていたシーン、

 

あの事件で、世の中が大きく変わったなんてことは全然なくて、まるでなにもなかったように、みんな相変わらずせわしなく生きてて・・・

 

というラストは、結局、ものごとは風化していくだけだよなというある種の絶望感すら感じるし、このドラマが多少なりとも影響を与えたとしても、少し経てば風化していくのを予期しているかのようにも感じる。

 

余韻もなくクロマニヨンズのED曲で明るくかき消されるのは、意図的に「せわしなさ」を表現したものなのかなんなのか。とにかく、脚本もED曲もメッセージ性が強くて、私個人としてはおなかいっぱいです。

 

一颯が本当に伝えたかったことを考えてみる。

よく知りもせず、考えもしないままSNSで人を傷つけてほしくないということ以上に、とにかく自分でよく考えて欲しいってことであって、なにもいうなということではないんだよね。


例えば、何らかの情報を知り得たとき、そのことに対して自分が反対意見を持ったとして、それを感情的にぶつけるのではなくて、よく考えて意見を述べたらいいってこと。現代のSNSはあまりにも考えなしに反応だけしているし、だからってなにもいうなということでもない。いい人になれということでもない。本当に間違いだったら野放しにしていいわけでもないしね。

 

憤りや怒りを感じることもあるんだから、そのときこそ、いったん落ち着いて考えて反論しようってこと。

 

SNSに裏アカが存在したり、ネットだけで悪態つく人は、人間、正論や正義だけだと息苦しくて、負の感情や毒を吐かないとやってられないことがあるから、そういうものが存在するわけだよね。いじめの根本ってそこにある気がするし、誰もが抱えている部分だと思うし、溜まってくると苦しくて、ウ○コみたいにどこかに吐き出さなきゃ気持ち悪いんだ。その気持ちはすんごくわかる。

 

自分が本当はこんなにも嫉妬やねたみ、羨望、怒りにまみれ、それを正義という言葉にすり替えては人を責める。自分の中にある負の部分を認めてあげないかぎり、いじめや攻撃は収まらないんじゃないかなと思う。

 

だから、まずはそんな感情がわいたことを認めて、考えてから発言する。それなら攻撃ではなくて堂々と異を唱えられるんじゃないかなと思うけど、そうは簡単にいかねーよというのが人間。誰もが正しくいられないし、何が正しいのかなんてわからないものだと思っていたほうが賢明かなと思う。

 

SNSは本当に諸刃の剣。便利でもあり凶器でもある。震災のとき、SNSやネットの情報でどれだけ助かったことか。そういう素晴らしい面もありながら、使い方によっては人を殺す道具にもなってしまう。だからこそ、上手に使って、使われないようにしようって頭の片隅にちょっとでも刻んでおきたいものです。

 

よくよく考えてみて、SNSの世界はスマホの先にある一部の特殊な世界ってだけで、すべてのあまねく人々が繋がっているわけじゃない。そう思うだけで気が楽になる気がしませんかね。

 

いずれにせよ、現代のSNSいじめに警鐘を鳴らすドラマであったことは間違いないし、大人でもSNS依存になりがちな人や、この春から学生さんでスマホデビューするなんて人は、一度このドラマを1話から通しでみたほうがいいかもよ。

 

<余談>

このドラマと併せてお勧めしたいのが、去年NHKで放送された野木亜希子氏脚本ドラマ『フェイクニュース』もお勧め。こちらもある1人のおじさんの恨みからフェイクニュースを拡散させ、そのことに翻弄される個人、会社、社会を描いた傑作ドラマです。SNS拡散の恐ろしさがけっこう生々しくていいのよぉ。

 

がしかし、現在、NHKアーカイブスでも配信停止中だし、本当は今年の2月にDVD発売予定だったらしいのですが発売延期。これは主要出演者の1人が事件起こしちゃった関係かなー。お蔵入りなんて残念過ぎる! 必ずDVD化してくださいよ、NHKさん!

 

 

【グッドワイフ】8話感想:思えば中年夫婦の危機と機微と変化を楽しむドラマだったわ

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日曜劇場『グッドワイフ』|TBSテレビ

 

 

なんでかんで、キャストの豪華さと演出のよさで、今クール見続けているドラマの一つであるTBSドラマ『グッドワイフ』。だんだんに展開も二転三転してきて、来週の9話では誰が裏切っているのか~!?的なことで盛り上がりそうですね。

 

以下、少々ネタバレがありますのでご注意ください。

 

 

もうさ、常盤貴子がドラマ中盤に来てボルドーのコート着ているあたりから、すっかり弁護士に慣れてきたうえに、自分の気持ちが明確になってきた現れなんだろうなというのを思い起こさせる演出。なかなかいいなと思いつつ、ボルドーのコートってあたしも昔着てたし!まるで90年代だし!という懐かしさもあり、常盤貴子のファッションはかなり楽しませてくれる要素ではありますね。若すぎず派手すぎず、品がある。参考にしたいものです。

 

ただ、ただよ、なんなの今回の展開は!!!とイラッとしてしまった。唐沢寿明演ずるところの蓮見壮一郎は、結局、相武紗季ちゃんのハニートラップにかかりそびれたってことで、女性スキャンダルはまーるく収まりました的になっちゃった。

 

本家の『グッドワイフ』では女性スキャンダルはありきで進んでいるだけに、なんかあーあって感じ。なにこれ、日本は不倫スキャンダルに敏感でヨシとしないから、そこはハニトラひっかかってなかったことにしようってなったの? 

 

それとも、相武紗季ちゃん演ずる遠山亜紀の背景に病気の子どもを出してきて、高額治療費のための金目当てでやったってことで、母親の心情というか母性を全面に押し出して、視聴者に同情させようっていう魂胆なのかしら? だとしたら、いやらし~~わ! 母性の押し売りやめて~。

 

まあね、もともと常盤貴子演ずる蓮見杏子設定も、子育て専業主婦が社会復帰な設定だから、ちょいちょい同情心とか母性煽るような描写があるけどさ。今回の遠山亜紀の設定も、子育てよりも仕事を取ったから離婚って、確かに記者という仕事は激務だから家庭がおろそかになるのもわからなくもないけど、父親が子どもを引き取って生活できるなら、別に妻がバリバリ仕事して家を空けても同じじゃね? それか、男性が主夫だってアリじゃね?って思ったわけよ。まあ、ストーリー的にそこは掘り下げる部分じゃないからしょうがないけどさ。

 

かたや蓮見杏子は、子育てのために好きだった仕事を辞めて家庭に入ったわけで、相武紗季ちゃんとは逆よね。なんかさー、平成も終わろうとしているというのに、女性の社会進出がこれほどバランス取れていないっていう描写(=現実)は残念でならないし、女性がバリバリ働くということは、結婚しないか、離婚をするかしかなく、いつまでたっても男性が家庭に介入しない設定なのか!という怒りに似た感情を駆り立てられた8話だったわ。

 

法曹業界ってのは男性社会だし、男たちは名目上、疑惑を晴らすために奔走している風なんだけど、結局はただ立場を守ることに必死になっているだけなんだよね。吉田鋼太郎、頭下げてばっかだし、それしかしてない。家庭のことなどさっぱり考えてない(だから離婚されるんだけど)。や、働くことが家庭を守ること、くらいしか思ってないんだよ。

 

ドラマの基本的な設定として、完全な良妻賢母で妻は家を守るもの像が根底にあるし、狙っているのだと思うけど、今、平成終わるところよ! なんでいつまでも昭和でそういうことになる?って思うわけ。蓮見壮一郎の疑惑が晴れそうだってことになって、そうなったら蓮見杏子はもう働かなくてもいいわけでしょ?みたいなセリフがでてきたときにゃ、あんた、見ているこっちは「はああ?」って思ったのよ。でも、そろそろ事務所の雇用が朝飛と杏子のどちらかに決まるみたいだから、これもたぶん次回の9話への伏線みたいなものなんでしょうけど、もう昭和のドラマかっていうくらい古くささを感じるわ。

 

そんで、もっとイラッときたのが、保釈されて家にいる壮一郎は、以前、自分や他人の疑惑を晴らすことしか頭になく、妻に弁護をしてもらうくせに大事なことは話さないばかりか、妻を利用する。家にいるのにうちのことやらない。杏子が「ご飯作ってあるから温めて食べて」って、忙しいのに主婦業までこなしている。壮一郎が長期の拘束で精神的にすり減ってはいるだろうことは同情するけど、結局、うちにいても自分の嫌疑を晴らすための行動ばっかりやっている。家のことをする描写はいっさいない。

 

そうやって、家のことをしない夫だったことが、杏子の小さな不満を積み重ねてきたってことの描写であるとしたら、そういう意味では壮一郎の人となりがよーくわかる描写。

 

このドラマ、ただの法廷もの、事件解決ものっていう見方だけじゃなくて、昭和な夫婦が妻の自立によりどう変化していくかというほうが本筋だったわね。そういう視点で見ると、杏子の仕事ぶり以上に、中年夫婦の心の動きがみてとれておもしろく感じる。

 

もうね、壮一郎の疑惑がどうなろうと、んなこたぁどうでもいいの。肝心なのは、壮一郎と杏子の中年夫婦の機微と関係性の変化のみよ。

 

いくら、ハニトラがなかったとはいえ、(次回予告では)そこで簡単に元サヤに収まるわけではないみたいだし、むしろ元サヤに戻って欲しくないかな。

 

杏子が自らの力で立ち上がって、元サヤに戻れるとでも思っている壮一郎を蹴散らしてほしい気もする。だからって多田くんに走るでもなく自立するほうがカッコいいな~。とにかく、昭和の良妻賢母になんか戻って欲しくないし、元サヤ以外の結論でお願いしたいです。

 

 

ところで、ぜんぜん関係ない話ですけど、4月からの新ドラマ『集団左遷』予告出てましたけど、みました? 

 

www.tbs.co.jp

 

公式サイトへ飛んでキャスティングみてみましたが、銀行支店長・福山雅治、副支店長・香川照之? 逆じゃないの? 神木隆之介、市村正親など、なんともいえないアンバランス感たるや! 勝手な妄想だけど、主要キャストにお金かけた分、他がちょっとアレな感じが否めず。

 

銀行モノなので、またしても池井戸さん原作かと思いきや、江波戸哲夫氏という方。すいません、存じ上げませんでした。

 

脚本は、ドラマ『仰げば尊し』『トドメの接吻』、映画『帝一の國』のいずみ吉紘氏。うーん、1回目観て決める感じかなー。

 

おしまい。

【ハケン占い師アタル】6話感想:遊川脚本の描く夫はいつも見事なまでのクズ

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イントロダクション|木曜ドラマ『ハケン占い師アタル』|テレビ朝日


以下、ネタバレが含まれます。観ていない方はご注意ください!

 

 

今回の6話は、リーダーの大崎さんの番でしたね。大崎さんはチームをまとめるリーダーではあるけれど、中間管理職で部下と上司に板挟みで悩まされるわけで、しかも自宅では田端さん同様、勝手な夫と息子の面倒に追われてそこでも板挟み。

 

大崎さんのあの夫の描写、本当にいや~~な感じに仕上がってましたね。ゴミ捨てお願いしたのに「命令するなよ」って、おめー、共稼ぎなら家庭は共同作業だぞ、コラ。家のことができていないだのなんだのいうが、共稼ぎしないと介護費用やらなにやら工面できない、つまり、おめーの稼ぎだけじゃダメって事を忘れている夫よ。子どものことで相談しようとしても「疲れてるんだよー」で逃げるんじゃねぇ。大崎さん、浮気までされてて、もう離婚していいんだよ、と思ったわよね。

 

遊川さん脚本に出てくるクズ夫は、いつも描写が絶妙すぎてイライラさせてくれるわ。それでもいいたいことも言えなくなってしまう大崎さん、占いに頼りすぎる気持ちもわからないでもない。15万払ってもいいくらい悩むって相当だわよ。

 

大崎さんの問題は、誰をリストラ対象とするのかがまず一番の悩みだったんだけど、根本原因は昔から人のパクリ、というかマネタイズして人格形成をしてきたために、自分に自信がないということ。

 

自信がないと言っても、自分が思うことを誰かの名言になぞらえて表現したということであって、アタルちゃんはそれをパクリと言わず、「積み重ねてきた」といい、リーダーとはとことん悩んで決断する人だと言い放つ。自分に自信がないときはそのくらい強めに言われた方が説得力あるし、未来への策も検討しやすい。そこはさすがアタルちゃん。無料なのにね。

 

反対に、母親のほうは「大丈夫よ~あなたはそのままでいのよ~」っていうのは、一時の癒しにはなるけれどもなーんも解決になんないんだよね。

 

占いっていうのはそういうところが危ないところで、自分がただ癒やされたいのか、人に決めて欲しいのか、指図されたいのか、自分の今後への指針として参考にする心づもりなのかによって受け止め方も違ってくるわけよ。占いを受ける側も目的をはっきりさせないといいカモになってしまうのだよ・・・。

 

結局、大崎さんは悩みに悩んだ末、神田さんを切ると思いきや、それを数字換算して部長をいいまかして、誰もリストラはしないという。そこから先、自分にどんな判断が下されてもいいと腹をくくったんだね。そこへ、アタルちゃんの能力の助太刀により、部長のリストラ案は社長命令ではなく、近く行われる人事評価のために独断で行ったということが判明。

 

大崎さんは家庭のことも腹をくくった。夫が浮気していることにも面と向かって気持ちを言えたし、息子にも「いつでもそばにいるからね」と安心感を与えられた。だからって、大崎さんちの家庭が劇的に変わるとかそういうことではなくて、大崎さんが自分で気持ちの踏ん切りというか自分の決断をするということが一番大事なことだったわけよ。その後の大崎家はどうするのかはわからないけど、大崎さんひとりが抱え込むことは減ることでしょうね。これってすごい大きな一歩だよ。

 

今回のエピソード、もっと深めて欲しい内容だったけど、どうしても決められた時間の中でドラマを展開させなければいけないので、たった1話であっけなく解決としてしまう物足りなさは否めないかなぁ。最後にゴミ捨てるとかもう完全にテンプレ化しちゃってるしなー。


大崎さんが頼った占い師がアタルの母親だったわけだけど、アタルちゃんいわく、悩み相談しながら、誰にでも当たり障りのないことを言ってぼったくる新興宗教の模様。それが毎回冒頭シーンに出てくる若村麻由美さん演ずる慰めシーン。あれで1回15万は高いなー。

 

てことはよ、アタルの能力は本物で、その能力故に子どもの頃から親に食い物にされていて頼られていたんだろうと推測(だから社会経験ないんだもんね)。アタルはあまりの的中率(というか霊視だね)のため、客もひっきりなしで儲かっていたのに、アタルはそんな生活に嫌気がさして逃げ出した。しょうがないので、母親がかわりに白装束でさも占い師かのように振る舞い、ただ話を聞いては当たり障りのない言葉で慰めて一丁上がり、なことをしていたんだろう。金づるだったアタルをなんとしても見つけないと商売あがったりなのよね。

 

いよいよ来週母親に見つかってしまうのかな。いずれ直接対決するんだろうけど、エグい親子関係を期待したい。遊川さん脚本なので若村さんにゲスいこと言わせそうだし、そこは大いに期待したい。なんなら期待を裏切って欲しいし最後はバッドエンドでもいい。『○○妻』のときみたいに主人公死ぬ、でもいい。『過保護のカホコ』はなんにもできないカホコなりにハッピーエンドで終わっちゃったから、今回はぜひともダークに終わって欲しいけど、勧善懲悪大好きテレ朝だから無理かなぁ~。

 

改めて公式サイトをみたら、「明日がもっと楽しくなる新しいお仕事ドラマ」で、しかもコメディなんですって。いやいやいや、コメディに見えないって。杉咲花ちゃんはじめ、共演者みんな普通に演技うますぎてコメディにみえないってばさ。

 

イントロダクションの締めに「現代の全ての人達に捧げる究極の人間賛歌」ってあったけど、冒頭シーンの若村さんみたいに真綿に包んだ優しい言葉でなんか終わって欲しくない。むしろ、占いするときのキッツいアタルちゃんみたいに突き放して終わってくれないかな。

 


最近、『ゲーム・オブ・スローンズ』の影響もあってか、人生いいことばっかりじゃねーぞという終わり方もありだと思うようになりました。遊川さん脚本はかなり前からそういうの先駆けてた気がするし、あの大不評だった朝ドラ『純と愛』なんて最たるものだったよね。

 

主人公を取り巻く人たちに降りかかる不幸の連続。夢が叶いそうなところに何度目かの不幸。最終話まで昏睡状態から目覚めないパートナー。それでも諦めず立ち上がる主人公。それだけが希望で終わったある種の生き残りサバイバルドラマだったのよね。今思えば、よく朝ドラとして放送したなぁと思う。ちょっと先駆けすぎだったわね。

 

だけど、これがリアルというもの。都合良くいいことばかりじゃないし、成功ばかりでもない。だからこそ、アタルちゃんには母親との直接対決でなんらかの決断・決闘をしてほしいし、最後は幸せになりました的なのはナシで、こんなラストあり!?という驚きの結末希望したいです。

 

次回は、ミッチーこと及川光博演じる部長のめちゃくちゃ危機的状況がテーマらしい。それにしても、ミッチー、日に日にメイク濃くなってない?